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【東アフリカ】食料危機が深刻化。FAO主導の活動に35ヶ国以上参加。イケア財団は農業支援も

 東アフリカ地域の農業を支援する国や企業の動きが拡大している。同地域では、新型コロナウイルス・パンデミック、紛争、サバクトビバッタ蝗害等による影響が拡大しており、食糧供給や農業が今まで以上に深刻なリスクに晒されている。

 国連食糧農業機関(FAO)は7月31日、イタリア政府が提唱し、FAOが主導するイニシアチブ「COVID-19 Food Coalition」に参加する国が増えていると発表した。

 6月に発表された本イニシアチブは、新型コロナが食糧システムや農業に中長期的な影響を及ぼす国に対し、政治面、財政面、技術面から支援を行うもの。対話プラットフォームを提供し、民間セクター、アカデミック、農業団体、市民社会、政府、NGO等マルチステークホルダーが、各国における食品システムへの影響を、国別に支援できる場を設ける。参加国は現時点ですでに35カ国以上にのぼる。

 FAOは、新型コロナに伴う失業率、所得損失、食料コストの上昇により、先進国や発展途上国は食料へのアクセスが困難となり、食糧安全保障および国家経済が長期的に深刻な影響を受けると警告。本イニシアチブを通じ、レジリエントで持続可能な生産システムの促進、栄養摂取の向上、生産者の収入確保にむけ、参加国と共に活動を強化する姿勢を示した。

 また、FAOは7月30日、イケア財団から350万ドル(約3億7,300万円)の寄付を受け取ったことを公表。ケニアとウガンダにおける難民支援策として、「リジェネラティブ農業」の発展に活用する。「リジェネラティブ農業」とは、天然の自然環境に近い状態で農業を行う概念で、環境への負荷を軽減するもの。第1フェーズを4年間と設定し、地元の食品企業と協働しながら、落花生とパッションフルーツの栽培を行う。

 ケニアとウガンダには現在約190万人の難民がいると推定されており、そのうちの70%から80%以上は、国連機関等からの食糧援助を頼りに日々の食料を確保しているという。FAOはリジェネラティブ農業の開発支援を通じて、難民やコミュニティの安定した収入確保や、自立を目指す。また、地元のパートナーシップ企業は、需要がある製品の栽培を奨励することにより、地域のアグリビジネス投資を拡大させるための基盤作りを目指す。

 さらに、化学世界大手独バイエルは8月6日、ケニアとウガンダに対して17万lのDecis ULV殺虫剤を寄付したと発表。本殺虫剤は、大量発生しているサバクトビバッタの駆除対策に活用される。

 FAOは今年の初旬、砂漠におけるサバクトビバッタの駆除に唯一有効なDecis ULVの有効成分である「Deltamethrin」を含む殺虫剤の支援を要求していた。

 今回バイエルが寄付した殺虫剤17万lのうち、12万lはケニア向けに、5万lはウガンダ向けに既に出荷済み。寄付した殺虫剤の総額は約75万ユーロ(約9,400万円)相当。今回のバイエルの寄付により、同地域で最も被害を受けている17万ヘクタール分の土地を、対処することが可能となった。

【参考】【国際】FAO、サバクトビバッタ蝗害の第一波制圧で大きな成果。依然として余談許さぬ状況(2020年5月15日)

【参照】FAO-led global COVID-19 Food Coalition gains momentum
【参照】IKEA Foundation contributes $3.5 million to support FAO's work with refugees and host communities in eastern Africa
【参照】Bayer Stands by Kenya and Uganda in Fight Against Desert Locust Devastation

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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