中国外交部の汪文斌報道官は8月6日、定例会見の中で、エクアドル領ガラパゴス海洋保護区から西側の公海での漁を9月から11月まで禁止すると発表した。同海域では、7月下旬に中国船籍を中心とする260艘の漁船団が現れ、生態系に対する懸念と外交懸念が生じていた。
エクアドル領のガラパゴス海洋保護区は、1979年に国連教育科学文化機関(UNESCO)の世界遺産にも登録され、生態系の保護が行われている。漁船が現れたのは海洋保護区の西側の海域で、エクアドル政府によると同国の排他的経済水域(EEZ)にかなり近いところまで接近していたという。国際法上は、公海は、どの国の法律も適用されず、原則として活動の自由が保障されている。
駐エクアドル中国大使館は7月23日、船団による漁は国際法上合法であるとの見方を示しつつ、エクアドル政府が進める環境保護政策を尊重する意思も伝えていた。しかし、エクアドル政府は、懸念を高めており、米国政府もエクアドル政府を支持する姿勢を見せていた。
汪文斌報道官は、今回の措置は、中国政府とエクアドル政府の電話協議の結果と表明し、両国の友好関係をアピールした。一方、米国に対しては、国際海洋法条約にも批准しておらず、他国の動向に口出しする立場にはないと批判した。
【参照ページ】2020年8月6日外交部发言人汪文斌主持例行记者会
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