国連環境計画(UNEP)は7月21日、南アフリカのクワズール・ナタール州の生態系サービスを金額換算したレポートを発表した。同地域は、南アフリカの国内生産の15%を占め、今回調査は、野生生物の保護のため重要なステップになるとした。州全体の生態系サービス換算は極めて先進的な事例。
生態系サービスは、二酸化炭素貯蔵や土壌の保全、洪水の防止、水質の向上、受粉の促進を行い、休養としての価値もあると指摘。2011年には、不可欠な生態系サービスの価値は、334億南アフリカランド(約2,600億円)で、同地域の経済規模の7.4%を占めていたが、栽培などによる集中的な土地利用により、特に牧草地やサバンナバイ生態群の価値が下落したと分析した。
同国は2019年7月、初となる国家自然資本会計フォーラム(Natural Capital Accounting Forum)を開催。国家開発計画2030や国連持続可能な開発目標(SDGs)に則り、グリーンエコノミーへの移行に向け、自然資本会計がどのように役立つかを、各国政府と議論した。
今回の研究は、UNEPからの委託を受け、EUが資金提供する自然資本会計と生態系サービスの評価プロジェクトの一環として、国連統計部とブラジル、中国、インド、メキシコ等と共同実施。南アフリカでは、同国統計局と国立生物多様性研究所が、環境森林・水産省とその他パートナーと協働し、プロジェクトを主導した。
今回のプロジェクトは、UNEPにとって、自然資本分野の国際統計基準「環境経済勘定体系・実験的生態系感情(SEEA EEA)」を推進するための初めての金額換算の実例となった。
【参照ページ】Groundbreaking study maps and values South Africa’s wild spaces
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