国連責任投資原則(PRI)は7月27日、インフラ投資において国連持続可能な開発目標(SDGs)を考慮する手法や課題を分析したディスカッション・ペーパーを発表した。SDGsの達成に向けては、巨額のインフラ投資が必要と言われる中、投資額は大幅に不足している状況にある。その中で、「持続可能なインフラ開発」に関する関心が高まっている。
PRIは、6月に「SDGsを考慮した投資行動フレームワーク」を発表しており、今回のペーパーでも、同フレームワークをインフラ投資に適用するあり方について解説した。
【参考】【国際】PRI、SDGsを考慮した投資行動フレームワーク発表。システミック・インパクトに着目(2020年6月16日)
PRI年次報告では、署名機関には「A+」から「E」までの評価が付けられるが、PRIのインフラ投資家署名機関の中央値は「A」で、高い評価を得ている。SDGsを考慮している理由としては、「政府の政策」「LPからのプレッシャー」「受益者や市民からの注目を得るため」「新規ビジネス開発」「従業員満足」等と説明されているという。
但し、PRIは、公式に投資戦略にSDGsを統合している機関投資家が非常に少ないことを課題視。その背景を把握するため、今回の調査では、機関投資家を招いたラウンドテーブル・ミーティングを実施し、「新しいコンセプトのため理解されていない」「既存のESGプロセスとは別のものと認識されており、必要性が認識されていない」「SDGs考慮はインパクト投資と認識されている」「アセットオーナーからの需要がまだない」等の声があった。
PRIは、インフラ投資でSDGsを考慮していくための課題として、「投資家とサービスプロバイダーでのデータ共有」「SDGsインパクトと財務観点の統合」「インベストメント・チェーンでの一貫性のある達成目標設定」「政府と投資家のエンゲージメントの拡大」「内部や外部委託先でのスキル向上」「グリーンフィールドタイプのインフラ投資の増加」「投資家間の協働の強化」を挙げた。
【参照ページ】Bridging the gap: How infrastructure investors can contribute to SDG outcomes
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