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【EU】2020年上半期、再エネ発電量が火力発電上回る。石炭火力、ガス火力、原子力が全て減少

 EU27カ国の1月から6月までの2020年上半期の発電で、史上初めて、再生可能エネルギー発電(水力発電含む)が化石燃料火力発電を上回ったことがわかった。再生可能エネルギーの導入量が進む一方、新型コロナウイルス・パンデミックによる電力需要の落ち込みで化石燃料による発電量が減った結果、再生可能エネルギーの電源比率が大幅に上昇した。

 今回の統計をまとめたのは、英コンサルティングEmber。上半期の発電量は、再生可能エネルギー発電が40%、化石燃料火力発電が34%だった。そのうち、太陽光発電と風力発電だけで21%となり、石炭火力発電は12%にまで減少した。晴れの日が多く、2月に風が強かったことも、再生可能エネルギー比率の上昇に寄与した。


(出所)Ember

 再生可能エネルギー発電量は、2010年から23%から2020年上半期には40%にまで大きく伸びた。太陽光発電と風力発電は2010年の6%から2020年上半期に21%と3.5倍になった。一方、石炭火力発電は2010年の24%から2020年上半期には12%にまで半減した。

 2020年上期には、前年同期比で総需要が7%減少だが、各電源では増減幅が大きく異なる。最も大きく減ったのは、石炭火力発電で34%減。その後に、褐炭石炭火力発電で29%、石油火力発電等14%減、原子力発電12%減、ガス火力発電6%減だった。石炭・褐炭火力発電の減少は、ドイツで大幅に減少したことが大きいが、ポーランドやチェコなど、石炭依存度の高かった他のEU加盟国でも大きな減少を記録した。気候変動対策の影響が大きい。原子力発電の減少は、フランス政府の原子力依存度引下げ政策が大きい。

 また今回は、ガス火力発電が減少したことも大きな特徴。ガス火力発電は、イタリアとスペインで大きく減少。一方、オランダやドイツでは、石炭からガスへの転換が見られたが、全体では6%減だった。

 また上半期は、需要が大きく減少した結果、電力供給過多の状況が発生。多くの国で卸売電力価格がマイナスになるタイミングが発生した。電気料金対するインパクトでは好材料となったが、電力会社の経営の安定性を損なうものともなっており、柔軟な需給調整や蓄電施設の導入がますます必要となってきている。

【参照ページ】Renewables beat fossil fuels

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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