食品世界大手米カーギルは7月21日、2030年までに水6,000億lを水系に還元すると発表した。世界中で水アクセスが悪化し、水の希少性が高まっていることを課題視し、地域コミュニティに必要な清潔な水の確保に動く。また水問題のソリューション開発のため専門機関とも協働する。
今回カーギルが発表した水に関する2030年目標は、全部で4つ。まず、優先度の高い水系において6,000億lの水を還元する。さらに、水質対策のため、優先度の高い水系で水質汚染物質を500万kg削減する。さらに優先度の高い水系25ヶ所では、飲料水アクセスを改善する。また自社施設では、優先度の高い工場81ヶ所で、水スチュワードシップ・プログラムを導入する。今回の目標設定では、世界資源研究所(WRI)が協力した。
カーギルは今回、農業は世界の真水の70%を消費しており、食糧生産では水マネジメントの重要性が高まっているとの認識を披露した。そのため、オハイオ州立大学とパートナーシップを締結し、農家にリジェネラティブ農業の導入を促進していく。有害有毒藻類ブルーム(HABs)の問題が発生している同州での学際的な農業研究を進めるため「水質研究コンソーシアム」の結成も後押しする。これにより、土壌や水資源を包括的に考慮をした農法を開発していきたい考え。
またメキシコでは、食品大手Bimboや、同国に拠点を置く国際トウモロコシ・コムギ改良センター(CIMMYT)と3年間の協働を進めており、とうもろころし農家に対し、土壌管理、肥料、灌漑等の改善活動を展開。2018年だけで10億l以上の水消費量を削減することに成功した。他にも、米アイオワ州では、アイオワ大豆協会と協働し、農法の改良を手掛けている。
一方、飲料水の確保や衛生の分野では、インドネシアでは、国際人権NGOケア・インターナショナルと協働。学校での衛生教育等も行い、プロジェクトの第1フェーズでは、学校28校に衛生設備を導入した。
【参照ページ】Cargill commits to restoring 600 billion liters of water by 2030
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