国連食糧農業機関(FAO)は7月21日、東アフリカから中東、南アジアを襲っているサバクトビバッタ蝗害の最新情報を発表した。発生源であるケニア、エチオピア、ソマリアに加え、飛来したインドでも大量繁殖をしており、特にインドが新たな被害の中心地になっていることがわかった。
発生源のケニアでは、北部のマルサビット郡では数が減少したが、北西部のトゥルカナ郡では依然として衰えておらず、空中と地上からの殺虫剤散布が続けられている。この近辺の個体群も、エチオピアや南スーダン、スーダンへと北上する可能性があるという。ウガンダにも侵入するおそれがある模様。
エチオピアでもリフトバレー北部や東部のハラール高原を中心に活発で。夏になると繁殖が増えるため、今後も予断を許さない状況。エチオピアとソマリアでも空中と地上からの殺虫剤散布が続けられている。
インドでは、ラジャスタン州を中心には繁殖が続いている。北部に移った群も、再びラジャスタン州に戻ってきている。産卵による繁殖が始まっており、新たな群が発生する可能性が高い。パキスタンではインド国境付近で産卵している模様で、同様に今後数週間で孵化してくる。
また、別途、ラオス・タイムズの報道によると、ラオスの最北部ポンサーリー州で、黄棘竹バッタと見られる蝗害が発生しているという。被害額は24,885,000ラオス・キープ(約25万円)とまだ小規模なため、FAOも動き出してはいない。一部は、国境を超えて、中国の雲南省に侵入したとの報道もある。雲南省政府はすでに、無人ドローンと防除部隊35,000人以上を投入。中国国務院農業農村部も7月16日、雲南省に対応チームを派遣している。
東南アジアでは、ラオスで近年、蝗害が度々発生している。ベトナム・タイムズによると、2014年に初めてラオス国内で確認され、同年の確認箇所は140ヶ所。2015年には500ヶ所になった。
【参照ページ】Desert Locust situation update 21 July 2020
【画像】FAO
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