欧州飲料大手英コカ・コーラ・ヨーロピアン・パートナーズ(CCEP)は7月16日、使用するプラスチック容器を100%再生プラスチック(rPET)とするための一環で、蘭プラスチック・リサイクルCuRe Technologyに出資した。
CuRe Technologyは、ポリエステル廃棄物から、バージン・ポリエステルと同品質のポリエステル・ペレットを生産する独自の技術「CuRe Technology」を持つ。従来のマテリアル・リサイクルでは、着色されたポリエステルを透明のペレットに戻すことができなかかったが、同社の技術では着色されたポリエステルを脱色し透明なペレットを生産することができる。
また同社の技術は、プラスチックを構成するポリマーを最低限だけ分解する特徴を持つ。そのため、プラスチックを分子還元、新たなプラスチック原料にするケミカルリサイクルと比べ、リサイクルに必要な消費エネルギーを抑えることができる。これらの点で、ポリエステル製品を活用するメーカーから高い注目を集めている。
CuRe Technologyは、蘭化学大手Morssinkhof Rymoplasと蘭Cumapolの2社が創業パートナー、さらに蘭化学大手DSMのリサイクル素材開発子会社DSM Niagaと蘭Doforの2社がパートナーとなって発足。ステンデン応用科学大学、ウィンデスハイム応用科学大学もパートナー機関として参加している。7月にはオランダ・エメンの工場が運転開始し、1時間で20kgを生産できる。
ペットボトルの原料であるポリエチレンテレフタラート(PET)はポリエステルの一種。CCEPは、自社のイノベーションファンドであるCCEP Venturesを通じて出資し、試作工場や商用化を支援する。商品が実用化した際には、CCEPがその大多数を購入することになっている。コカ・コーラ・カンパニーの西欧部門も協力する。
運用が開始されると、CCEPはペットボトルに含まれる原油由来のバージン・プラスチック量を毎年20万t削減できるという。ペットボトルのサーキュラエコノミーに向けて大きく前進する。
CuRe Technologyは、Morssinkhof GroupとCumapol/DuFor Groupが率いる、リサイクルのための先導的なコンソーシアムで、DSM-NiagaとNHL Stenden University of Applied Scienceが戦略パートナーだ。不透明でリサイクルが困難とされる食品グレードのプラスチックを、同様の食料品の包装として、継続して再利用できる高品質の再生プラスチック(rPET)にリサイクルする。
【参照ページ】Coca-Cola European Partners invests in creation of circular economy for PET in Western Europe
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