米カリフォルニア州サクラメント郡に本社を置くコミュニティ出資電力会社SMUD(Sacramento Municipal Utility District)は7月17日、2030年までに全電源の二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)を実現する目標を取締役会で決議した。米カリフォルニア州は、全米の中でも気候変動対策に積極的な州で2045年までに電力のカーボンニュートラルを実現する目標を掲げている。SMUDはそれを15年も前倒しで達成する計画。
【参考】【アメリカ】カリフォルニア州下院、2045年までに同州電力を100%脱化石燃料化させる州法案可決(2018年9月3日)
SMUDは、売上15億米ドル(約1,600億円)で従業員数は2,000人を超える。2020年時点の電力構成は、水力発電と風力発電が781MW、ガス火力発電は1,103MW。また外部からの調達電力が1,320MWがあり、再生可能エネルギー電力を中心に調達している。これらの合計3,215MWを2030年までに全てカーボンニュートラルにする。
SMUDは、早くから再生可能エネルギーへのシフトを進めてきた。そのため、現在もガス火力発電や再生可能エネルギーの割合が高い。原子力発電は、1975年にランチョ・セコ原子力発電所を稼働したが、1980年代後半に出資者である市民の投票により廃炉にした。二酸化炭素排出量は、1990年比で50%減を実現している。2018年には、2040年までにカーボンニュートラルを実現するとの目標を掲げ、2020年1月にカリフォルニア州エネルギー委員会から承認を得た。今回それを10年も前倒しすることを決めた。
2020年1月に承認を得た際の電源構成(合計2,900MW)は、
- 風力発電:670MW
- 大規模太陽光発電:1,500MW(今後3年間で300MW前後新設)
- 地熱発電:180MW
- 大規模蓄電所:560MW
さらに、カーボンニュートラル化を加速させるアクションとして、屋上太陽光発電を約600MW敷設、電気自動車90万台と電化住宅40万戸を推進、デマンド・レスポンス・プログラムで200MW、顧客でのバッテリー敷設200MWも掲げている。
【参照ページ】SMUD Board of Directors adopts climate emergency declaration
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