英環境庁(EA)は7月9日、新たな5カ年環境計画「EA2025」を発表した。新型コロナウイルス・パンデミックからの経済復興では、原状復帰ではなく、環境・健康面を改善した状態での復興が必要と捉え、具体的な政策達成目標を設定した。世界的に広がる「グリーンリカバリー」について英国の具体的な施策が発表されたことになる。
今回の政策アクションでは、気候変動緩和や環境汚染削減だけでなく、防災を始めとする気候変動適応を大きく掲げた。英国では数年前から気候変動を見据えた治水・洪水対策にも本腰を上げており、今回もその流れを強く打ち出した。従来どおりの経済活動では、今後の課題は解決できないとし、大きな産業変革が必要と提唱した。
設定した長期ゴールとして、「気候変動レジリエンス」「大気、土壌、水の汚染改善」「グリーン成長と持続可能な未来」の3つを設定した。それを具現化するための9つのアクション分野を設定し、2021年度の定量目標も設定した。内容には、住宅30万個の洪水リスク低減、河川4,000kmの水質改善、地方行政に働きかけEAの政策が反映された政策率を97%等がある。
英国の環境政策は、治水、防災、雇用、産業政策の領域までカバーしている。日本政府ではこれらは環境省の所管ではなく、国土交通省や経済産業省、厚生労働省の所管だが、英国では各省が他省に遠慮せず、積極的に自らの政策目標達成のためのアクションを掲げている。
【参照ページ】Business as usual won't tackle the challenges we face, warns Environment Agency
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