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【国際】J&J、途上国での結核治療薬ベダキリン・アクセスを拡大。新型コロナが結核治療に悪影響

 医薬品世界大手米ジョンソン・エンド・ジョンソンと、国連プロジェクトサービス機関(UNOPS)が事務局を務める国際結核治療支援イニシアチブ「Stop TB Partnership」は7月6日、世界保健機関(WHO)の支援を受け、多剤耐性結核(MDR-TB)及びリファンピン耐性結核(RR-TB)の治療薬ベダキリン(商品名サチュロ)を低・中所得国に展開していくと発表した。

 ジョンソン・エンド・ジョンソンは、135カ国での6ヶ月間のベダキリン治療法に対し、通常価格の400米ドルから15%引きの340米ドル(約3.6万円)でベダキリンを販売。同時に、一定数販売毎に無償提供枠を設定した。具体的には、5.5万人分販売で10%、12.5万人分で20%、20万人分で30%を無償提供する。

 同イニシアチブは、米国際開発庁(USAID)と世界エイズ・結核・マラリア対策基金の支援を受け、2020年に薬剤耐性結核(DR-TB)患者12.5万人にベダキリンを提供することを目標としている。今回ジョンソン・エンド・ジョンソンが無償提供枠を設定したことで、治療薬の価格を32%抑えることができる。単年度のみで、国家の結核プログラムにおける1,600万米ドル(約17億円)分のコスト削減に繋がる。

 また同イニシアチブが、インペリアルカレッジ、Avenir Health、ジョンズ・ホプキンズ大学と行った最新の共同研究では、新型コロナウイルス・パンデミックに対するロックダウン等の措置が、結核の診断、治療、死亡率に悪影響を与えていると分析。薬剤耐性結核(DR-TB)患者は、新型コロナウイルスに最も脆弱であり、ロックダウンにより薬へのアクセスが遮断されてしまっている可能性があるとした。さらに、新たな形で経済的困難や孤立、差別等を生んでいるという。

 パンデミックで世界保健機関(WHO)のガイドラインが強化されたことで、結核治療方法について、自宅でも可能な内服薬治療への完全移行が促進。頻繁な通院が不要となったが、それでも2020年から2025年にかけ、結核患者は630万人増加し、そのうち140万人が死亡すると推定されている。

【参照ページ】Stop TB Partnership and Johnson & Johnson, with support from USAID and The Global Fund, Announce Price Reduction for SIRTURO® (bedaquiline) for Treatment of Drug-Resistant Tuberculosis in Low- and Middle-Income Countries

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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