持続可能な発展を目指すグローバル企業団体WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)は6月30日、電力会社向けの新たな二酸化炭素排出量削減ガイダンスをリリースした。世界の気温上昇を1.5℃に留めることを目指し、電力会社2050年までに二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)を実現するための方法をまとめた。
WBCSDは、新型コロナウイルス・パンデミックによって、システムの脆弱性リスクの中でも気候危機リスクが最も深刻と警鐘を鳴らし、パリ協定の1.5℃目標の重要性を強調。全ての企業は、科学に基づいた温室効果ガス排出量の削減目標を立てる必要があると指摘した。
特に電力セクターは、世界のCO2の直接排出量の41%を占める重要な分野。脱炭素化のために担う役割は大きく、不動産や交通・輸送での二酸化炭素排出量削減のためにも、脱炭素電源は必要となる。
今回のガイダンスは、スコープ1、スコープ2、スコープ3の全域をカバーし、SBTi(科学的根拠に基づく目標イニシアチブ)が6月に発表した1.5℃目標達成のためのシナリオを基に、具体的な対策事項を整理した。
WBCSDによると、2020年6月時点で、SBTiから目標承認を受けた電力会社は世界でわずか16社しかない。パリ協定の1.5℃目標を達成するには、今後10年以内に発電による排出量を76%削減しなければならない。バリューチェーンの取組みを促し、化石燃料からの脱却を推進する必要もある。
【参照ページ】New guide for electric utility companies to set science-based targets
【参照ページ】SETTING 1.5°C-ALIGNED SCIENCE-BASED TARGETS: QUICK START GUIDE FOR ELECTRIC UTILITIES
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