オランダに本部を置くアパレルNGOのClean Clothes Campaignは6月22日、アパレル大手のサプライチェーン上の賃金に関する独自評価格付の結果を公表した。人権NGOや消費者に対し、アパレル大手の現状を暴露する狙いがある。対象企業には、日本企業も含まれている。
今回の評価は、アパレル・ブランドや小売の大手企業90社以上を対象に分析。さらに企業単位でなくブランド単位での評価結果も出した。データ収集では、アパレル大手に直接調査票を送る一方、Open Apparel RegistryやOpenCorporates等のデータベースも活用。加えて、サプライヤーでの労働者へのインタビューは、使用人の報復措置を避けるため、縫製労働者へのアクセスが国家によって保証されている中国、インドネシア、インド、クロアチア、ウクライナでのみ実施した。
開示されたデータは、企業自身のコミットメントやアクションプラン、情報開示のレベルに加え、サプライヤーにまで遡り、賃金、男女の賃金格差、産休制度、労使合意の有無等の状況をチェックした。
評価対象は、アディダス、NIKE、リーバイ・ストラウス、GAP、H&M、C&A、インディテックス、ベネトン、アンダーアーマー、マリメッコ、グッチ、フィリップ・バン・ヒューゼン(PVH)、ウォルマート、カルフール、プライマーク、セインズベリー、マークス&スペンサー、アマゾン等。日本企業ではファーストリテイリングとアシックスが対象となった。
賃金評価では、ほぼすべての企業が最低評価の「E」。一方、サプライチェーンの透明性については、5段階評価でH&Mとアディダスは最高位の5、GAPとリーバイ・ストラウスは4、マークス&スペンサーとアシックス3。ファーストリテイリングは2だった。
今回の賃金評価は、各社横並びでの最低評価「E」だったが、ランキングが付けられたことで、各社の中で今後差が出てくると思われる。Cloth Clothes Campaignの活動は、欧州委員会も資金拠出をして支援している。
【参照ページ】New website puts the fashion industry’s low wages in the spotlight, accelerating the campaign for living wages.
【サイト】Fashion Checker
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら