医薬品大手独メルクは6月23日、同社子会社のベンチャーキャピタルM Venturesの投資先イスラエルIoTセンサー開発スタートアップFeelitが、機器故障探知ナノマテリアル製品「RetroFeel」をリリースしたと発表した。Feelitにとって「RetroFeel」は初の商用製品となる。
RetroFeelは、機械部品やシステムの故障等の構造変化を検知するナノマテリアル製品。Feelitのナノインク技術を活用し、「電子肌(Electronic Skin)」として機器に貼付。構造や素材の変化をリアルタイムで通知する。故障の事前予測が可能となり、ダウンタイムやエネルギー損失、メンテナンスコストの削減にも寄与。新型コロナウイルス・パンデミック下でも、作業員が現場にいなくとも故障の検知・モニタリングができる。開発ではメルクが第1号の顧客となり、製品を実使用した。
Feelitは、イスラエルにおけるメルク提供のインキュベーションプログラム「PMatX」に参画。アドバイスを受けるだけでなく、同社施設の利用も可能となり、製造能力も日産数個から数百個に拡大した。2020年の運用後も同プログラムとの契約を継続する。Feelitはすでに試験運用2件を済ませ、世界中でRetroFeelのトライアル販売を開始。2024年までに数千個の製造を見込む。
メルクは2011年以降、ヘルスケア・ライフサイエンス・インキュベーターとしての拠点をイスラエルのヤブネに設置。科学者を中心に同国で300人以上を採用した。また今回発表のFeelitの他、服薬アドヒアランススタートアップPilltrackerや計算機写真スタートアップPxE等への投資も実施している。
【参照ページ】Startup from Merck Innovation Lab in Israel Markets First Predictive Maintenance Sensors
【画像】Feelit
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら