製薬大手米ファイザーは6月24日、ガーナ、ケニア、マラウイ、ウガンダの各政府との共同イニシアチブ「Surveillance Partnership to Improve Data for Action on Antimicrobial Resistance(SPIDAAR)」を継続し、新たに複数年にわたる共同研究を行うと発表した。低・中所得国における薬剤耐性(AMR)患者の耐性パターンの解明に取り組む。
AMRは、抗生物質に対する耐性を細菌が獲得し、細菌感染に対する治療を無効化してしまうもの。世界的に問題が拡大しており、肺炎、結核、サルモネラ症等の治療が困難となり。入院期間の長期化や、医療費・死亡率の上昇が懸念されている。一方、アフリカ大陸の国の43%では、2017年までAMRに関するデータが取得できていなかった。最新の予測では2050年までにアフリカでのAMRによる死亡率は、北米・欧州の約10倍になるとされ、低所得国のGDPを最大5.6%低下させる可能性があるという。
SPIDARRは2019年7月に発足。世界80カ国以上の68.5万以上の細菌および真菌の分離株や、人命への最大の脅威と見なされるWHO優先病原菌リストのうち9つに関するデータを有するファイザー開発のプラットフォーム「ATLAS」を活用し、世界保健機関(WHO)指定の国家行動計画の実行を支援している。今後は、同4カ国の政府と保健省に対し、AMRに関する包括的なデータを提供。特定の病院でモニタリング・プログラムを実施し、AMR患者より臨床分離株を収集し、薬剤耐性について識別・検査を行っていく。
【参照ページ】PFIZER AND WELLCOME LAUNCH SURVEILLANCE PROGRAM TO COMBAT GROWING THREAT OF ANTIMICROBIAL RESISTANCE IN SUB-SAHARAN AFRICA
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