米航空宇宙局(NASA)の研究チームは6月11日、国際宇宙ステーション(ISS)で実施した実験で「物質の第5状態」と呼ばれる「ボース=アインシュタイン凝縮(BEC)の生成に成功したと発表した。
物質の状態は、固体、液体、気体に加え、プラズマが第4の状態として位置づけられている。ボース=アインシュタイン凝縮は、1925年に物理学者のサティエンドラ・ボースとアルベルト・アインシュタインが「第5状態」として存在を予言。1995年にコロラド大学とマサチューセッツ工科大学の研究チームがBECの生成に世界で初めて成功。2001年のノーベル物理学賞を受賞した。
ボース=アインシュタイン凝縮は、原子が絶対零度に近く、ほぼ同じ量子準位をとるときに、急に最低値の円ルギー準位に落ち込む状態を指す。固体からプラズマまでが、粒子間の相互作用による相転移現象なのに対し、ボース=アインシュタイン凝縮純粋にボース粒子の量子特性が起きる相転移。但し、重力が大きい地上では生成が困難だった。
今回の実験は、ノーベル物理学賞を受賞したボースらは、宇宙空間でのボース=アインシュタイン凝縮を提案し、2018年5月からはNASAがISSを使って、同年11月からはドイツの研究チームが気象観測ロケットを使って、ボース=アインシュタイン凝縮の生成実験を行っていた。
NASAでは、国際宇宙ステーション(ISS)実験施設のレンタルサービスを開始しており、今後もISSのレンタル活用が増えそうだ。
【参照ページ】NASA's Cold Atom Lab Takes One Giant Leap for Quantum Science
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