世界最大の「液体空気電池」を用いた蓄電所の建設が、英マンチェスターで始まった。蓄電容量は250MWhで、テスラが南オーストラリア州に建設しているリチウムイオン蓄電所の2倍の容量を誇る。2022年に完成する予定。
【参考】【オーストラリア】米テスラ、南オーストラリア州での世界最大リチウムイオン蓄電施設建設を落札(2017年7月24日)
今回の蓄電所を建設しているのは、2005年創業の英蓄電スタートアップHighview Power。冷熱発電(CES)の特許を持ち、新たな蓄電技術として世界中の注目を集めている。仕組みは、空気をマイナス196℃まで冷却し、液体空気の状態で貯蔵。発電時には、常温との温度差で生じるエネルギーを回転力として活用し、発電機を回す。
蓄電は、再生可能エネルギーの普及に欠かせない技術と言われている。今回の蓄電所はトラフォード・エナジー・パークに建設される。同パークには、ガス火力発電所があり、以前は石炭火力発電所もあったが今は廃止されている。まずはガス火力発電で蓄電を試みる。
同プロジェクトは、総工費8,500万ポンド(約113億円)。そのうち1,000万ポンド(約13億円)は英政府が助成金を支給する。またHighview Powerには、住友重機械工業が2月、4,600万米ドル(約61億円)の出資を決定しており、今回のプロジェクトをバックアップする。蓄電所の寿命は30年から40年と見られている。雇用創出効果は200人で、石油・ガス関連のエンジニアの転職先としても期待されている。
【参照ページ】Highview Power
【画像】Highview Power
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