エーザイは6月10日、アフリカにおける新型コロナウイルス・パンデミックや、顧みられない熱帯病(NTDs)対策として、100万米ドル(約1.1億円)を寄付すると発表した。
NTDsとは、熱帯地域、貧困層を中心に蔓延する寄生虫や細菌感染症のこと。エイズ、マラリア、結核の3大感染症と比べ、国際的な関心が薄く、十分な対策がなされずにいた。世界保健機関(WHO)は、ブルーリ潰瘍、シャーガス病(アメリカトリパノソーマ)、デング熱、メジナ虫症(ギニア虫症)、トレポネーマ感染症(イチゴ腫含)、アフリカトリパノソーマ(睡眠病)、リーシュマニア症、ハンセン病、リンパ系フィラリア症(象皮病)、オンコセルカ症(河盲症)、住血吸虫症(ビルハルツ住血吸虫)、土壌伝播寄生虫症(腸内寄生虫)、トラコーマ、嚢尾虫症、包虫症、食物媒介吸虫類感染症、狂犬病、マイセトーマ、毒蛇咬傷、疥癬およびその他の外部寄生虫の20疾患群をNTDsと指定している。
エーザイはこれまで、リンパ系フィラリア症(象皮病)治療薬ジエチルカルバマジン(DEC)錠を、自社インド・バイザッグ工場で製造し、製造し、WHOのプログラムを通じ無償で提供。マイセトーマへの新薬開発も推進してきた。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大によって、アフリカのNTDs蔓延地域における集団投薬(MDA)の延期や、新薬の臨床開発の遅れが出ている。
今回エーザイは、医療NGO顧みられない病気の新薬開発イニシアティブ(DNDi)と協働し、現地医療機関への支援を検討。NTDs等の治療法の臨床研究施設に対し、医療用防具(PPE)の提供を開始した。
さらに同社は、国際医療NGOアフリカのAmref Health Africa(Amref)開発のモバイル医療プラットフォーム「LEAP」の普及支援として、義援金を拠出。同ツールは、医療関係者や住民に最新の正確な疾患情報を発信し、疾患情報共有、グループチャット、SMSや双方向のボイスチャットの機能を搭載している。インターネット環境が悪い地域でも利用可能。
【参照ページ】新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対するアフリカ地域における対応支援について
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