ノルウェー公的年金基金GPFGの運用を担うノルウェー銀行投資マネジメント部門(NBIM)と国連児童基金(UNICEF)は6月10日、アパレル業界を対象に、サプライチェーンにおける子どもの権利を守るための新たなガイダンスを発表した。新型コロナウイルス・パンデミック後の世界に向け、業界慣行の再構築を図る。
今回のガイダンスは、6月12日の「児童労働反対世界デー」に合わせて公表。世界には、アパレル業界で働く労働者が6,000万人以上いると言われる一方で、UNICEFは、グローバルサプライチェーンで影響を受けている子どもの数は1億人以上にのぼると想定。これには「児童労働者」に加えて、「アパレル業界で働く親の子供」「工場や農場付近のコミュニティメンバー」などが含まれており、ずさんな労働環境や人権保護の欠如が、労働者の子どもや工場周辺で暮らす子どもの衛生状態にまで広く影響を及ぼしているという。
今回のガイダンスは、NBIMとUNICEFが2017年に設立した「児童の権利ネットワーク」の活動成果物。「児童の権利ネットワーク」は約2年間、企業や専門家が集まり、業界が与える子どもへの影響や、企業が取るべき行動について情報交換を行ってきた。企業ではアディダス、H&M、VFコーポレーション等が参加していた。
今回まとめた企業の行動指針は、国連ビジネスと人権に関する指導原則(UNGP)を基に、具体的なステップを提示した。
- 子どもの権利におけるリスクとそのリスクへの対処方法について評価する
- 子どもの権利を企業ポリシーやとマネジメントシステムに組み込む
- 内部からのサポートを得て、主要な意思決定者を参画させる
- 子どもの権利と問題の根本原因に対処できるよう、サプライヤーの能力を強化する
- 成果と進捗状況を監視および測定する
- ステークホルダーや労働者と共に、苦情処理を実施する
- 成果と進捗状況を報告する
- マルチステークホルダーのイニシアチブに協力および投資する
- 政府を支援し、子どもの権利を提唱する
【参照ページ】Guidance tool to improve the impact on children in global apparel and footwear supply chains
【参照ページ】New UNICEF, NBIM guidance to help businesses prioritize child rights in global supply chains
【ガイダンス】Children’s rights in the garment and footwear supply chain
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