欧州中央銀行(ECB)は6月8日、サステナブルファイナンス戦略の改正と非財務情報開示指令(NFRD)改正に関し、欧州委員会が実施しているパブリックコメントへの回答内容を公表した。EUタクソノミーに関し、制定されたEUタクソノミー規則では不十分との見方を示した。
今回のパブリックコメントは、2019年12月に欧州グリーンディール政策が欧州委員会で採択されたことに伴い、2018年に採択されたサステナブルファイナンス・アクションプランの内容を強化しにいく方向性について意見を求めているもの。締切は7月15日に設定されている。
【参考】【戦略】EU欧州委が定めた「欧州グリーンディール政策」の内容。〜9つの政策骨子を詳細解説〜(2019年12月12日)
ECBは、EU理事会が4月に可決し現在欧州議会で審議されているタクソノミー規則について、現在の内容で不十分とするポイントを4つ指摘した。
【参考】【EU】EU理事会、EUタクソノミーを可決。気候変動ファイナンス規制強化。欧州議会での審議へ(2020年4月17日)
まず、現規則では、2022年に委任法令の形で施行される予定だが、遅すぎるとし迅速に委任法令を発令するよう求めるとともに、新型コロナウイルス・パンデミックでの経済復興についてもタクソノミーが活用できるよう、環境パフォーマンス基準や社会観点の最低基準も設定するよう促した。
また、EUタクソノミーについては、EUの環境政策目標との整合性のある「グリーン・タクソノミー」とともに、リスクマネジメントの観点から投融資を避けるよう留意させる「ブラウン・タクソノミー」も同時に設定するよう求めた。また、タクソノミーの業種カバレッジを拡大することも求めた。
【参照ページ】Eurosystem reply to the European Commission’s public consultations on the Renewed Sustainable Finance Strategy and the revision of the NonFinancial Reporting Directive
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