東京大学、理化学研究所、日医工、第一三共の4者は6月8日、新型コロナウイルスの細胞内への侵入を阻止できる可能性があるナファモスタット吸入製剤について共同研究を行うと発表した。
ナファモスタットは、急性膵炎や播種性血管内凝固症候群等の治療薬として使われており、安全性に関する十分な臨床データが蓄積されている注射剤。東京大学医科学研究所等は、ナファモスタットが、新型コロナウイルス感染初期段階のウイルス外膜と、感染する細胞の細胞膜の融合を阻止することで、ウイルスの侵入過程を効率的に阻止する可能性があるという。
日医工は、フサン(ナファモスタットメシル酸塩)の製造販売元として、臨床データを提供。理化学研究所は、最先端技術で研究開発を支援する。また第一三共は、抗インフルエンザウイルス薬イナビルの開発で得た技術を活用し、ナファモスタットの吸入製剤化の研究開発を推進する。今後、非臨床試験を7月から開始予定。2021年3月までの臨床試験移行を目指す。
【参照ページ】東京大学、理化学研究所、日医工、第一三共による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療に向けたナファモスタット吸入製剤の共同研究開発に関する基本合意のお知らせ
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