環境情報開示を推進する国際NGOのCDPは6月9日、機関投資家大手105機関が、環境情報開示が不十分な世界大手企業49ヶ国の1,051社に対し、CDPを通じた情報開示を実施するよう求める声明を発表した。参加した105機関の運用資産総額は8兆米ドル(約880兆円)。
今回のアクションは、CDPが進める「ノンディスクロージャー・キャンペーン」によるもの。同キャンペーンは、CDP質問書への回答を通じて、気候変動、森林減少、水に関する企業の透明性を向上することを目的としている。開示を迫る対象は、前年度の質問書に回答しなかった企業の中で、影響力の大きい企業。
機関投資家が選定した対象企業リストのうち、すでに17%はCDPの気候変動、フォレスト、ウォーターのいずれかに回答しているが、回答していないテーマに対し、回答が要求されたためリスト入りした。58%は、気候変動に関する回答が要求され、また30%は回答要求テーマが2つ以上に渡っていた。
1,051社には日本企業が、33社含まれている。括弧内が回答が要求されたテーマ。
- アコム(気候変動)
- イオン(ウォーター、フォレスト)
- 大和ハウスリート投資法人(ウォーター)
- エーザイ(ウォーター)
- ふくおかフィナンシャルグループ(気候変動)
- 長谷工コーポレーション(気候変動、フォレスト)
- HOYA(ウォーター)
- ヒューリック(気候変動、ウォーター)
- いちごグループホールディングス(気候変動、ウォーター)
- 飯田グループホールディングス(ウォーター、フォレスト)
- 国際石油開発帝石(ウォーター)
- 伊藤ハム米久ホールディングス(気候変動、ウォーター、フォレスト)
- かんぽ生命保険(気候変動)
- 日本プライムリアルティ投資法人(気候変動)
- キーエンス(気候変動、ウォーター)
- キッコーマン(フォレスト)
- JR九州(気候変動)
- 任天堂(気候変動)
- 日本ペイントホールディングス(気候変動、ウォーター)
- ニトリホールディングス(気候変動、フォレスト)
- 野村不動産ホールディングス(フォレスト)
- オリックス(気候変動)
- ピジョン(気候変動、ウォーター、フォレスト)
- セブン&アイ・ホールディングス(ウォーター、フォレスト)
- シマノ(気候変動)
- SUMCO(ウォーター)
- 住友不動産(気候変動)
- 大成建設(ウォーター、フォレスト)
- 関西電力(ウォーター)
- 東北電力(ウォーター)
- 東ソー(ウォーター)
- 東洋水産(気候変動、ウォーター、フォレスト)
- ユナイテッド・アーバン投資法人(気候変動)
2020年のノンディスクロージャー・キャンペーンに参加した機関投資家は、ニューヨーク州年金基金、ニューヨーク市年金基金、ワシントン州投資委員会、リーガル&ゼネラル、シュローダー、Robeco、HSBCグローバル・アセット・マネジメント、アリアンツ・グローバル・インベスターズ、仏預金供託金庫、ジェネレーション・インベストメント・マネジメント等。日本の機関投資家では、りそなアセットマネジメントが参加した。
対象となった企業は、サービス業25%、製造業16%、鉱業14%、インフラ10%、化石燃料9%と続く。また、気候変動の質問書に回答している企業でも、ウォーターやフォレストでも回答を求められたところが多い。
【参照ページ】105 investors press for environmental disclosure from 1000+ high-impact firms
【参照ページ】Non-Disclosure Campaign
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