シンガポール商品取引大手アグロコープ・インターナショナルは6月2日、アジア・中東・アフリカの発展途上国の食料プライチェーン強化のため、オランダ開発金融公社(FMO)とオランダ銀行大手ラボバンクから5,000万米ドル(約54億円)の融資枠を獲得したと発表した。
今回の融資枠は、新型コロナウイルス・パンデミックにより、発展途上国での食料サプライチェーンが大きな打撃を受けていることを受け、農家と消費者をつなぐ農作物仲介企業の財務を支援するための資金。詳細は不明だが、サステナビリティ・コベナンツ条項が設定されており、設定された目標に対する報告をFMOとラボバンクに対し実施していく。そのため同社は、コンサルタント企業アースシステムにも協力を仰ぐ。
融資枠は、同額の2つのトランシェに分かれ、FMOは繰上返済と在庫担保融資を、ラボバンクが売掛金融資を受け持つ。ラボバンクは、ファシリティエージェントの役割も担う。
アグロコープは、豆類、小麦、米、油糧種子、砂糖、食用ナッツ等の農産物を取扱い、20カ国以上で事業を展開。2019年には、オーストラリア、カナダ、アメリカ、ウクライナ、ミャンマー、西アフリカ等の栽培センターの商品1200万t以上を、人口の豊富なバングラデシュ、インド、中国、トルコ、インドネシア、ベトナム等のアジア・中東地域へ輸出している。
また同社は5月、取引文書をブロックチェーン技術で管理し、大陸間の農業貿易が急増する中でも確実に遂行できるようにした。今後は、FMOと協働し、ミャンマー等で農家向けのトレーニングプログラムを実施予定。
【参考】【国際】カーギルやラボバンク等、ブロックチェーン活用での農業貿易決済プラットフォームを共同発表(2020年4月24日)
【参照ページ】Agrocorp receives USD 50M sustainable borrowing base facility from FMO and Rabobank to enhance food supply chains in developing markets
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