シスメックスは6月2日、3月27日に国内で初めて薬事承認された新型コロナウイルス検査キット「2019-nCoV検出蛍光リアルタイムRT-PCRキット」について、厚生労働省より検体種への唾液の追加が承認されたと発表した。これにより唾液での検査についても保険適用対象となる。
従来PCR検査は、上気道由来検体または下気道由来検体で行われてきたが、鼻や喉の奥からの粘膜採取は、被検者の身体的負担が大きい。また、検査中に咳やくしゃみが出やすく、検体を採取する医療従事者の飛沫感染リスクが高いことが課題視されていた。
今回の承認により、症状の発症から9日以内であれば、唾液での検査が可能。被検者の自己採取も可能となったこで、従来の鼻や喉の奥からの粘膜採取と比べ、安全かつ迅速・簡便なPCR検査が期待できるという。
同検査キットは、中国BGI(華大基因)が開発し、シスメックスが販売代理店基本契約を締結する形で提供している。日本での薬事承認より先に、中国における薬事承認と欧州体外診断用医薬品(IVD)指令に適合したCE マークを取得し、50ヶ国以上へ供給されている実績があった。
また、同社は6月1日、IT企業オプティムと合弁で、デジタル医療サービス企業「ディピューラメディカルソリューションズ」を設立したと発表。人工知能(AI)、IoT活用による患者の服薬モニタリングや、病態に応じた今後のケア、薬事承認された治療用アプリケーションを用いたデジタル医療等を推進する。
事業の中核は、医療用 AI・IoTプラットフォーム。ベンダーやユーザー企業との連携や、治療用アプリケーションの開発・搭載も目指す。現在、同プラットフォームのプロトタイプ開発に着手しており、今後は製薬企業や医療機器メーカーとの連携に関する協議を予定。また、開発したアプリケーションに対する薬事承認等の許認可取得の支援サービスも提供していく。
【参照ページ】唾液を用いた新型コロナウイルス PCR 検査が可能に ~使用検体種の適用を拡大~
【参照ページ】シスメックスとオプティム、医療用 AI・IoT オープンプラットフォームおよび デジタルトランスフォーメーション・ソリューションの 企画・開発・運営会社を共同設立
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