機関投資家のイニシアチブは6月4日、動物性たんぱく質食品である肉、魚、乳製品の生産事業者大手の7割以上について、人獣共通感染症リスクが高く、パンデミック防止への対策が不十分とするレポートをまとめた。大手60社についてのランキングも発表した。人獣共通感染症は、新型コロナウイルス・パンデミックを機に関心が世界的に高まっており、緊急調査が実施された。
今回のレポートは、機関投資家の畜産業関連イニシアチブ「Farm Animal Investment Risk and Return」(FAIRR)が発表したもの。FAIRRには現在213の機関投資家が加盟しており、運用資産総額は21兆米ドル(約2,300兆円)。加盟機関は、カリフォルニア州職員退職年金基金(CalPERS)、カリフォルニア州教職員退職年金基金(CalSTRS)、KLP、アリアンツ、アムンディ、フィデリティ・インターナショナル、リーガル&ゼネラル・インベストメント・マネジメント(LGIM)、UBSアセット・マネジメント、シュローダー、ニューバーガー・バーマン、ノーザン・トラスト、インベスコ、三井住友トラスト・アセットマネジメント、野村アセットマネジメント、りそなアセットマネジメント等。
FAIRRは2019年4月、肉、魚、乳製品の世界大手60社を対象に9つの関連ESGリスクを分析、評価したランキングを発表しており、今回のランキング「パンデミック・ランキング」は、そのうち「森林破壊・生物多様性喪失」「抗生物質」「廃棄物と汚染」「動物福祉」「労働慣行」「食の安全」「持続可能なプロテイン」の6つに絞ったランキングを発表した形。
【参考】【国際】投資家の畜産イニシアチブFAIRR、食品大手60社の2019年版ESG格付公表。日系3社は依然最低ランク(2019年9月9日)
ランキングでは、首位はノルウェーのモウイ。100点満点で59点だった。その他も欧州勢が上位を占めた。日本企業では、日本ハムが34位で15点、プリマハムが46位で11点、日本水産が50位で9点だった。
全体の傾向では、73%にあたる44社が、パンデミック・ランキングで「高リスク」の判定。「低リスク」は0社だった。
【参照ページ】Over 70% of Animal Agriculture Firms at “High Risk” of Fostering Future Zoonotic Pandemics
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら