国連食糧農業機関(FAO)は6月1日、国連が設立した財団「栄養改善のためのグローバル・アライアンス(GAIN)」及びジョンズ・ホプキンス大学のイニシアチブ「健康な世界のための同盟」と協働で、各国の食料・農業セクターのデータ可視化ツールをリリースしたと発表した。
同オンラインツールでは、35のデータソースに基づき、約230カ国・地域のフードシステムについて、170指標以上の情報を掲載。誰でも閲覧できる。年間の推移や、他国との比較等が簡単にできる。関係者のデータ収集に要する時間を半減させることを目標に開発を行った。
フードシステムとは、食料品の生産から流通、消費までのプロセスを一つの体系として捉えたもの。フードシステムが適切に機能した状態では、健康な食生活を支える栄養ある食糧への利用可能性、アクセス可能性、手頃な価格での提供可能性が保証される。今回のツールでは、フードシステムの各バリューチェーン上のデータを可視化することに努めている。
例えば保健当局では、同ツールの活用により、国民の果物・野菜・全粒穀物の摂取量や、栄養と健康影響に関する国単位のデータを取得し、高血圧と食品摂取量の相関関係等を示すことができる。取得データは、国・地域・フードシステムの種類、収入別に分類し、比較も可能だという。また、政府は、自国の平均年間降水量と気候変動に伴うその変化も測定可能。主要作物の収量増加に向けた農業用水源活用の最大化方法の決定等を支援する。
今回のオンラインツール開発の背景には、2017年の国連フードシステムと栄養に関する専門家ハイレベルパネルにおいて、フードシステムに関する体系的かつ高品質な情報へのアクセスの欠如が指摘されたことがある。フードシステム改善には、根拠ある対応の実施が不可欠だとし、データの重要性が強調された結果、今回のツール開発に繋がった。
【参照ページ】FAO, GAIN and Johns Hopkins Alliance for a Healthier World launch new online dashboard to inform better food policy
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