仏再保険大手SCORは5月27日、2050年までに二酸化炭素ネット排出量をゼロにするシナリオと整合性のある投資ポートフォリオを実現することにコミットするイニシアチブ「Net-Zero Asset Owner Alliance(NZAOA)」に署名したと発表した。SCORの運用資産は、子会社SCOR Global Investmentsが管理しており、同社の運用資産総額は206億ユーロ(約2.5兆円)。
同イニシアチブは、国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)と国連責任投資原則(PRI)と共同で運営。SCORの署名により、全部で24のアセットオーナーが署名したことになる。24機関の運用資産総額は4.6兆米ドル(約500兆円)。
同イニシアチブは、2019年9月23日に発足。アリアンツ、仏預金供託金庫(CDC)、ケベック州投資信託銀行(CDPQ)、スイス再保険、Folksam、PensionDanmarkの6機関が発起人となり、9月23日に加盟した機関は他に、カリフォルニア州職員退職年金基金(CalPERS)、チューリッヒ保険、ストアブランド、Nordea Life and Pension、Alecta、AMF Fastigheterの6機関。その後、仏アクサ、英AVIVA、仏CNP Assurances、仏公的積立年金基金FRR(フランス年金準備基金)、イングランド銀行投資委員会と、イタリアのゼネラリ保険が加盟した。
SCORはすでに、一般炭(石炭)及び石炭火力発電の売上比率が30%を超える企業からの投資引揚げ(ダイベストメント)を実行していたが、今回除外基準を10%に引き上げることを決定。加えて、2030年までにEUと経済協力開発機構(OECD)加盟国では一般炭の除外基準を0%以上に、2040年までには世界全体で除外基準を0%以上に厳しくすることも決めた。
NZAOAは5月29日、EUのグリーンリカバリーに賛同する声明も発表している。
【参考】【EU】欧州委、220兆円経済復興予算案発表。グリーンリカバリーとデジタル柱。EU債発行も(2020年5月28日)
【参照ページ】FRANCE’S SCOR JOINS UN-CONVENED NET-ZERO ASSET OWNER ALLIANCE
【参照ページ】UN-CONVENED NET-ZERO ASSET OWNER ALLIANCE REACTS TO EUROPEAN COMMISSION’S COVID-19 RECOVERY PLAN
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