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【国際】ヤンセンファーマ、エボラワクチンでEUから肯定的見解。結核治療薬では米認可獲得

 医薬品世界大手米ジョンソン・エンド・ジョンソン子会社のヤンセンファーマは5月29日、エボラ出血熱予防に向け調査中のザイールエボラウイルスに対するワクチン「Ad26.ZEBOV」及び「MVA-BN-Filo」について、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)より市販承認申請(MMA)に肯定的見解を得たと発表した。

 エボラ出血熱を発症するウイルスの亜属は、ザイールエボラウイルス、スーダンエボラウイルス、ブンディブギョエボラウイルス、タイフォレストエボラウイルス、レストンエボラウイルスの5種が知られており、ザイールエボラウイルスとスーダンエボラウイルスが、主な流行種。今回提出のワクチンは、ザイールエボラウイルスに対し、強力かつ持続的な免疫反応を誘発する。

 同ワクチンは、エボラ出血熱発症リスクのある国や、医療機関従事者、バイオセーフティーレベル4(BSL-4)の実験室勤務者、他国派遣の軍人、空港勤務者、高リスク国訪問者が対象。ヤンセンファーマは、エボラ出血熱ワクチンを必要としている人に接種するための事前審査やアフリカ諸国での認可に向けWHOとも協働しており、欧州委員会からも承認が得られると、普及の加速が期待できる。

 同社のフェーズ1臨床試験結果は、米国医師会発行の学術誌「JAMA」や「Journal of Infectious Diseases」等に掲載。2019年には、フェーズ1からフェーズ3までのデータが欧州微生物・感染症学会(ECCMID)で発表された。これまで同社臨床研究および予防接種イニシアチブにより、約6万人が同ワクチンを接種済み。2019年5月には、コンゴ民主共和国におけるエボラ出血熱の抑制のため、WHOの予防接種に関する戦略諮問委員会(SAGE)がヤンセンファーマのエボラワクチンを提供。コンゴ民主共和国とルワンダで5万人以上が接種した。

 また同社は5月27日、同社開発の結核治療薬ベダキリン(商標名サチュロ)が、米国食品医薬品局(FDA)により、小児用製剤として承認されたと発表した。ベダキリンはすでに、WHOより多剤耐性結核(MDR-TB)及びリファンピン耐性結核(RR-TB)の推奨薬として指定済み。

【参考】【アフリカ】WHO、J&J開発ベダキリンを推奨薬に指定。多剤耐性結核対策で注射剤を代替

 結核は依然グローバルの死因としてワースト入りする病気。2018年には1,000万人が発症し、150万人の死亡が報告されている。多剤耐性結核(MDR-TB)及びリファンピン耐性結核(RR-TB)の新規症例は毎年50万件と推定されるが、2018年に治療を受けたのは3件に1件。同年の治療の成功率は、多剤耐性結核(MDR-TB)とリファンピン耐性結核(RR-TB)で56%、超多剤耐性(XDR-TB)で39%となった。

 同治療薬は、医療機関従事者や患者が、治療法について知った状態(オープンラベル)のもと、介入群のみで、比較対照群を置かない臨床試験である単一群試験を実施。多剤耐性肺結核が確認された、もしくは疑いのある5歳から12歳未満の小児患者を対象に、成人容量の半分のベダキリンを24週間投与した結果を基にFDAに承認された。

 同治療薬は、錠剤のまま服用できる場合、食事と共に摂取可能。錠剤のままの服用が困難な場合でも水や柔らかい食事に混ぜ、投与することができるとした。米国では、他の治療法が無い場合に予約の上、選択可能。しかし、潜在性結核感染症、肺外結核、非結核性抗酸菌による感染症等には使用できず、HIV感染者の治療における安全性と有効性は確立されていない。

【参照ページ】Johnson & Johnson Receives Positive CHMP Opinion for Janssen’s Investigational Preventive Ebola Vaccine Regimen
【参照ページ】U.S. FDA Approves New Pediatric Formulation of SIRTURO® (bedaquiline) as Part of Combination Therapy to Treat Children with Pulmonary Multidrug-Resistant Tuberculosis

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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