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【国際】ハーシー、2025年までにガーナとコートジボワールのカカオ直接調達化。児童労働撲滅目的

 チョコレート世界大手米ハーシーは5月27日、2025年までに児童労働リスクの高い地域でのカカオ調達を100%直接調達に切り替えると発表した。主要カカオ生産国のガーナとコートジボワールも含まれる。直接調達に切り替えることで、農場での児童労働リスクをマネジメントしやすくする。

 ハーシーは、2012年に長期的なカカオ調達目標として、2020年までに100%認証カカオにすると発表。同目標を2020年1月に達成した。また2018年4月からは2030年までに5億米ドル(約540億円)をカカオ栽培の農家の生計や生態系の改善のプログラム「Cocoa For Good」に投資する新目標も設定している。

 今回同社は、直接調達に切り替えることで、すでに進めている児童労働モニタリング・救済(CLMRS)プログラム等の実効性を上げることができると説明した。また、気候変動インパクトへの対策、地域インフラの強化、人材採用でも支援しやすくなるという。

 また、Cocoa For Goodプログラムのテーマである従来の栄養改善、児童労働撲滅、女性の経済力向上、アグロフォレストリーの4テーマでの活動をさらに拡大することも表明した。

 女性の経済力向上では、農家の所得拡大にスケールアップさせる。収量や生産性を上げるための研修を実施し、一人当たりの収入を増やす。また単一農業ではなく、生産品目を多様化することで収入を増やすとともに、ハーシーとしてもプレミアム価格で購入する。またガーナとコートジボワールの両政府が2019年9月導入したプレミアム販売制度「Living Income Differential(LID)」に則ったプレミアム購入も続けるとした。

 児童労働では、CLMRSプログラムを拡大し、12.5万人以上の児童の生活状況を調査。出生証明等必要なサポートを提供している。2018年以降でハーシーのCLMRSプログラムで支援を受けた児童の数は4.5倍になったという。まだ同社のサプライチェーン上では強制労働は確認されていないと伝えた。

 栄養改善では、Project Peanut ButterとIvorian National Nutrition Councilと協働で、コートジボワールの学校にピーナッツ原料の栄養食「ViVi」を届けるための第2工場を建設する。児童2.5万人に届ける予定。原料のピーナッツは隣のガーナ産のものを使う。

 アグロフォレストリーでは、人工衛星を活用した森林破壊監視システムの対象地域を拡大し、西アフリカ全域のサプライチェーンでのマッピングを実施する。また農家に手頃な価格で土地の所有権が得られるようなプログラムも支援していく。

【参照ページ】Hershey Doubling Down On Commitment To Ethical Cocoa Supply Chain
【参照ページ】HERSHEY CONTINUES TO SCALE COCOA SUSTAINABILITY EFFORTS

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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