化学世界大手米ダウ、デュポン、3M等の米企業9社は5月18日、医療用ガウンを生産し、新型コロナウイルス・パンデミックに対応する医療関係者に寄付すると発表した。今後、米テキサス州、ルイジアナ州、メキシコの医療機関を対象に10万着を提供する。
今回プロジェクトに参加する9社は、ダウ・ケミカル、デュポン、3M、フォルクスワーゲン、マグナ・インターナショナル、Cadillac Products Packaging Company、Fitesa、Landaal Packaging Systems、Plastixx FFS Technologies、Shurtapeの9社。
生産されたガウンは、ポリエチレン製。米国医科器械学会(AAMI)が定める液体防御性能基準の「レベル2」を満たすため、各社の有する技術や知見を生かし、仕様のコンセプト、設計、テスト、パッケージ開発、およびサプライチェーン上の条件をクリアした。
生産過程は、まずデュポンが、ガウンの設計を担当。次にダウが、ポリエチレンフィルムの素材となる樹脂を提供。Fitesaが、ガウンの「耐引裂性」と「柔軟性」を高める不織布素材を生産し、Cadillac Products Packaging Companyが、押出コーティング加工(熱可塑性樹脂を加熱・加圧して薄いフィルム状にし、不織布など基材の表面に敷いてコーティング)を実施。これにより、ガウンの耐久性が「AAMIレベル2」基準を達した。
次に、3MとShurtapeが、縫い目からの漏水を防ぐ、シームシーリング加工の技術を提供。マグナ・インターナショナルが、ガウンをカットおよび裁縫するリソースを提供。なおマグナ・インターナショナルとの協働は、フォルクスワーゲンとの提携によって実現した。
そして最後に、Plastixx FFS Technologiesが、ガウンを梱包するための袋を提供し、Landaal Packaging Systemsが、ガウンの配送に関するすべての梱包箱を提供した。
ガウンは、米国材料試験協会(ASTM)及び米国規格協会(ANSI)の規定にも準じており、米保健福祉省の食品医薬品局(FDA)が定める分類上の「非外科手術用衣類品(non-surgical apparel)」として取り扱われる。
米国の医療従事者向け個人用防護具(PPE)不足は、深刻な状態が続いており、米保健福祉省食品医薬品局(FDA)は5月22日、医療用ガウンおよび衣類品の生産と使用に関する規制を一時的に緩和するEUA(緊急使用許可)を発表している。これにより、製造業者はさらにPPEを生産しやすい環境が整えられた。
【参照ページ】Dow collaborates with multiple partners to develop and donate Level 2 medical isolation gowns
【参照ページ】Gowns and Other Apparel
【参照ページ】Emergency Use Authorizations
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