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【国際】IATA、航空業再開に向け原則とロードマップ発表。ユナイテッド航空も具体策表明

 国際業界団体の国際航空運送協会(IATA)5月19日、理事会を開催し、新型コロナウイルス・パンデミックの影響で大規模な運休・減便が続いてる航空業界の再開に向けた5原則を発表した。翌20日には、IATAは国際空港評議会(ACI)と共同で、各国政府に対して協力を要請した。

 今回IATAが策定した5原則は、

  • 安全第一:乗客と乗務員保護のため科学的根拠に基づくバイオセキュリティ体制を構築
  • 科学に基づく柔軟な対応:検査や免疫パスポート等の科学技術の状況に応じて柔軟に対応
  • 業界復興:経済復興のために便数を早急に回復
  • 環境目標達成:2050年までに2005年比半減の二酸化炭素排出量目標を遵守
  • 国際基準の遵守:国際民間航空機関(ICAO)や世界保健機関(WHO)と協働

 またIATAは同日、同5原則を基にした航空業再開に向けたロードマップを発表した。政府規制の状況を見通しつつ、必要となると考えられる対策を掲げた。まず、出発空港では、空港への入場制限、入口での体温検査、ソーシャルディスタンシング、マスク着用、セルフ・チェックインの活用、混雑を避ける搭乗フロー、高接触部の消毒を挙げた。機内では、マスク着用、機内食の簡素化や事前包装、トレイ列などでの密集回避、高頻度の清掃を挙げた。到着空港では、体温検査とともに、入国審査や荷物受け取りの迅速化、検疫と接触追跡手段の確保を挙げた。

 これらを基に、IATAと国際空港評議会(ACI)は5月20日、航空業界再開のための安全策を共同発表するとともに、各国政府に対し、これらの措置を導入できるようにするための協力を要請した。特に科学に基づく措置を重視し、感情的な政策に左右されないようにすることを求めた形。

 航空業界では、米ユナイテッド航空(UA)が5月20日、大手家庭用品メーカー米クロロックス及び米クリーブランド・クリニックとともに、新たな衛生・安全基準「ユナイテッド・クリーンプラス」を設定したと発表した。

 ユナイテッド・クリーンプラスの取り組みは、主に「空港ロビー」、「搭乗ゲート」、「機内」、「空港ラウンジ」の4カ所を対象に、今月から実施。空港ロビーでは、タッチパネルで操作するチェックイン機の利用を一時的に停止。代わりに、利用者は各自スマートフォンでチェックインを行い、表示されるQRコードをスキャンすると手荷物タグが印刷される仕組みの「タッチレス・キオスク」を活用する。また、UAのカウンターには、飛まつ防止のガード板が設置される。

 搭乗ゲートでは、混雑を避けるために、機内への乗り込みを少人数単位に制限し、乗客は自身でチケット確認やスキャンを行う。待合室の手すりやひじ掛けは、定期的に清掃され、乗客は、搭乗時に個別に包装された消毒シートを受け取る。

 機内では、5月22日以降、2時間20分を超える国内線フライトの乗客を対象に、消毒用ウエットティッシュ、水、スナック類をすべて梱包した「オールインワン」バッグを提供。6月以降は、静電噴霧器による表面の消毒作業を全フライトの出発前に実施。また、乗客は全員、マスクあるいはフェイスカバーの着用が義務付けられる。さらにUAは、フライトの乗客率を70%以下に抑えるとして70%を超える場合には、一部の乗客に別のフライトを案内するオプションを導入する。

 空港ラウンジでは、バーエリアの椅子を撤去し、梱包された食事と飲み物のみを提供。清掃作業もこれまで以上に頻繁に行うとした。

 また、ユナイテッド・クリーンプラスには、UAの従業員が、始業前に必ず体温チェックを実施することも含まれている。
 今後UAが使用するクロロックス製品は、まずシカゴとデンバーのハブ空港で導入され、その後順次UAの空港ラウンジなどで展開される。また、クリーブランド・クリニックの医療専門家は今後、UAに対して、最新技術やトレーニング開発、品質保証プログラムについてのアドバイスを行っていく。

【参照ページ】IATA Board Declares Principles for Industry Re-start
【参照ページ】IATA Outlines Layered Approach for Industry Re-Start
【参照ページ】ACI and IATA Outline Roadmap for Aviation Industry Restart
【参照ページ】Safely Restarting Aviation ACI and IATA Joint Approach

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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