表現の自由・プライバシー保護推進の国際イニシアチブ「グローバル・ネットワーク・イニシアティブ(GNI)」は5月15日、SNSや通信大手での人権デューデリジェンス(HRDD)及び人権インパクト評価(HRIA)に関する分析結果を発表。透明性改善に向け、人権インパクト評価の開示が進展していると歓迎した。
GNIは、国連ビジネスと人権に関する指導原則(UNGP)とGNI表現の自由・プライバシー原則に則り、加盟企業に対し、表現の自由やプライバシーに関する人権リスクを特定する人権デューデリジェンスを実施し、改善策を打つことを求めている。そして人権デューデリジェンスの中で、人権インパクト評価(HRIA)を実施することも求めている。
GNIは2年毎に加盟企業に対し、透明性の状況を診断し、到達レベルと改善点を示したレポートを公表。最新のレポートは2019年に発表され、11社が評価対象となった。対象企業は、フェイスブック、グーグル、マイクロソフト、ボーダフォン・グループ、ベライゾン・メディア、ノキア、オレンジ、テレフォニカ、テレノール・グループ、テリア、ミリコム。2019年4月にはアジア企業として初めてLINEが加盟している。
今回の発表では、その後の企業のアクションに大きな進展があったことを伝えるもの。好例として、IT世界大手米フェイスブック、スウェーデン通信大手テリア、IT世界大手米グーグル、フィンランド通信大手ノキア、通信大手米ベライゾンを挙げた。
【参考】【アジア】フェイスブック、アジア3ヶ国での人権デューデリ結果公表。UNGPに基づきBSRが評価担当(2020年5月23日)
フェイスブックは、国別インパクト評価からの気付きと対応を公表。カンボジアの評価ではBSRが、インドネシアとスリランカの評価では、Article Oneが担当した。テリアは、リトアニアとスウェーデンの子会社にBSRの人権インパクト評価を適用し、ユーラシア地域のレポートを公表した。グーグルは、著名人認識アプリケーションプログラムに対するBSRの人権インパクト評価の概要を公表した。ノキアはサステナビリティレポート上の人権デューデリジェンスを匿名化し、公表した。ベライゾンは、人権インパクト評価アプローチの説明を行った。
人権インパクト評価は、自社従業員のみまたは外部専門家との共同実施が可能であり、GNI賛同企業は過去10年間、表現の自由とプライバシー原則の導入のため、人権インパクト評価を活用してきたという。人権デューデリジェンスや人権インパクト評価の透明性改善に向けた取り組みは、GNIの共有学習課題の一部。GNIは今後、同原則を実業務に統合する方法、企業内研修の強化・拡大方法、同分野に関するツールやガイダンスの開発を引き続き検討するとした。
【参照ページ】Increasing Transparency on Human Rights Due Diligence and Impact Assessments by GNI Company Members
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら