欧州証券市場監督局(ESMA)は5月13日、EUにおけるローン担保証券(CLO)の信用格付に関する報告書を発表。CLO格付の業界慣行を分析し、同アセットクラスにおけるESMAの懸念や中期的リスクを特定した。
信用格付機関の内部組織構造に関する課題では、CLO格付プロセスにおいて、CLO分析と企業分析で分断されている点を指摘。CLOの信用格付にあたっては、チーム間の円滑かつ継続的な情報交換が重要だとした。
CLO発行体との関係性については、CLOのアレンジャーとマネジャーが、どの格付機関に最高評価を割り当てるかを決めることができると指摘。格付機関の評価プロセスにおいて、アレンジャーらからの独立性が重要となるとした。
格付モデルや、第三者機関提供のデータへの依存、プロセスの高度な自動化については、信用格付けの潜在的なリスクとなり得ると指摘し、格付機関によるモニタリングが必要だと分析した。
CLOメソドロジーについては、信用格付に影響する可能性のある仮説やモデル化アプローチにより支えられているとし、EMSAは投資家への透明性の重要性を強調。CLOメソドロジーの進化が、商業的な影響を受けないようにする必要があるとし、信用格付機関による継続的な市場モニタリングと、CLO契約の取り決めにおける徹底的な分析を求めた。
また同報告書では、3月までに収集した情報に基づき、新型コロナウイルス・パンデミックがCLOメソドロジーに与える影響についても言及。ESMAは、信用格付機関に対し、定期的なストレステストを実施し、パンデミックの影響を受ける主な経済変数に対するCLO信用格付の感度を報告することを期待するとした。
【参照ページ】ESMA HIGHLIGHTS CHALLENGES FOR RATING COLLATERALISED LOAN OBLIGATIONS
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