医薬品大手独メルクは5月6日、中国向け自社シードファンドを通じ、中国・スイスのITスタートアップSynSense(aiCTX)への投資を行うと発表した。SynSenseは、消費電力が極小で、処理速度も早い人工知能(AI)を有し、スマートホーム、スマートセキュリティ、自動運転、ドローン、ロボティクス向けアプリケーションを提供する。
メルクは2019年10月、同社子会社のベンチャーキャピタルM Venturesとメルク・チャイナ・イノベーション・ハブで、同ファンドを組成。シリーズAではCTC Capitalを中心に、M Ventures、CAS Star、Ecovacs Robotics、Yunding、Archer Investmentから資金調達を行った。
出資先のSynSenseは、チューリッヒ大学およびチューリッヒ工科大学の研究所からスピンオフする形で起業。同研究所の研究内容を活用しており、次世代人工知能(AI)として注目を集めるニューロモーフィック・コンピューティングに強い。ニューロモーフィック・コンピューティングとは、人間の脳神経細胞のニューロンを模した電子回路でコンピューターを設計する技術のこと。膨大な並行・非同期論理を処理することができ、人工ニューラルネットワークを導入することで、従来の人工知能(AI)の処理速度低下を克服し、消費電力も1mW以下に抑えることが可能だとした。
M Venturesの投資は今回で3件目。同社は過去1年間のうちに人工知能(AI)チップ設計の米MemryXや、量子コンピューティング米SeeQC等にも投資を行っており、同分野への重要性を強調した。
【参照ページ】Merck Invests in Artificial Intelligence Chip Startup SynSense in China
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