中国政府は4月23日、電気自動車(EV)や燃料電池自動車(FCV)に対する購入補助金ルールを7月23日から変更すると発表した。新車の販売価格が30万人民元(約450万円)未満の新車のみ補助金対象となる。但し、バッテリーパックが交換できるタイプは上限額なし。また、補助金支給を2022年まで継続し、段階的に補助金支給額を減らす。
今回の発表は、財政部、工業情報化部、科学技術部、発展改革委員会の連名で通知された。中国政府は、2009年の年間販売台数は500台未満だった新エネルギー車両の販売が、2019年には120万600台に達し、5年連続で世界第1位になったと誇った。その上で、今回の補助金の減額を実施する理由としては、技術進化のため販売価格が下がってきたことに加え、競争力の弱い企業の市場撤退を含めた業界淘汰を促す考え。
中国政府は2009年から新エネルギー車への補助金をスタートし、2020年までに所有500万台を政策目標としてきた。この目標は達成できる見込み。そのため2020年で補助金政策が終了するとの見方もあったが、2022年まで延長することにした。但し、2020年は前年から補助金は10%、2021年は同20%、2022年は同30%引き下げる。それ以降については、延長しない考えも見せた。また、補助金の支給上限台数も先着200万台と設定し、それ以上を超えると助成の対象外。200万台は中国の新車販売台数の8%に相当する。
今回のルール変更を受け、米テスラは4月30日、中国の上海工場「上海ギガ・ファクトリー」で製造される「Model 3」のスタンダードレンジを30万人民元以下に値下げすると発表した。補助金対象とすることで、販売競争力を高める。上海工場は、新型コロナウイルス・パンデミックによる活動停止が終了し、すでに通常業務に復帰している。
中国新興EVメーカー「NIO(蔚来汽車)」は、中国国内で唯一のバッテリーパック型電気自動車販売企業。販売車種のES8とES6は、双方とも価格が30万人民元を超えるが、今回の上限規制の対象とはならないため、引き続き高額車販売を続ける。
【参照ページ】关于完善新能源汽车推广应用财政补贴政策的通知
【参照ページ】关于《财政部 工业和信息化部 科技部 发展改革委关于调整完善新能源汽车补贴政策的通知(财建〔2020〕86号)》的解读
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