国際グリーンボンド基準策定NGO気候債券イニシアチブ(CBI)は4月26日、海運セクターでの気候変動緩和及び気候変動適応のためのグリーンボンド基準(CBS)策定案を公表した。6月26日にまでパブリックコメントを募集する。
【参考】【国際】CBI、海運セクターのグリーンボンド基準策定作業開始。日本郵船も委員として参加(2019年4月12日)
今回公表された基準案は、非常に厳しい基準が設定された。CBIは、2050年までに50%から250%という大幅な需要増が見込まれ、海運業が二酸化炭素排出量が最も多くなる業界になると見立て、2050年まで海運業での二酸化炭素排出量を大幅削減することを狙った。
まず、液化天然ガス(LNG)を含む化石燃料の運搬船は一切適格基準から除外した。日本では日本郵船と商船三井は過去のグリーンボンド発行で、化石燃料の中でも二酸化炭素排出量の少ないLNGの燃料供給船を資金使途の一部としていたが、今回のCBSでは認められないとした。
一方、航行中に二酸化炭素を排出しない「ゼロ・エミッション」船については適格とした。
それ以外の船舶については、原単位の二酸化炭素排出量基準が設定された。採用された指標は国際海事機関(IMO)でも採用されているEEOIとAER。EEOIは、1tの貨物を1マイル運ぶ際に実際に排出した原単位排出量。AERは、最大積載量t数(Deadweight Tonnage)当たりの年間平均の原単位排出量。実際の積載量に応じて排出量をコントロールすることは難しいとの考え方から、日本の国土交通省はAERを国際統一基準にするよう求めており、海運業界の国際的な排出削減イニシアチブであるポセイドン原則もAERを採用している。
CBSでは、EEOIとAERの双方において、2020年、2030年、2040年、2050年の各船種での目安基準を設定し、グリーンボンドの残存年数機関において基準を遵守できる場合に適格と設計した。2050年は基準値をゼロとした。また、削減計画も発行時に示すことを義務化した。
策定委員会には、海運業界からはマースクと日本郵船が参加した。
【参照ページ】New Shipping Criteria Opens for Public Consultation: Green opportunities for investment in Shipping Sector: Criteria expansion continues under Climate Bonds Standard: Send your Feedback before June 26
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