英ESG投資推進NGOのShareActionは4月21日、機関投資家に対し、BPとロイヤル・ダッチ・シェルの今年の株主総会で、役員報酬決議に賛成票を投じないよう求める声明を発表した。役員報酬制度設計のKPIに問題があると批判した。
BPは4月に気候変動対応アドボカシーNGOのFollow Thisと、ロイヤル・ダッチ・シェルも4月に機関投資家の低炭素推進イニシアチブClimate Action 100+との間で、長期的な気候変動戦略について合意したばかり。ShareActionは今回、役員報酬制度に着目し分析したところ、問題があることを明らかにした。
【参考】【イギリス】BP、2021年株主総会向け気候変動株主提案で環境NGOと協調。スコープ3でもゼロ示せるか(2020年4月1日)
【参考】【イギリス】BP、2050年までの事業活動でのCO2ネットゼロ発表。製品CFPは原単位で半減(2020年2月15日)
【参考】【オランダ】シェル、2050年カーボンニュートラル宣言。Climate Action 100+がエンゲージメント(2020年4月17日)
ShareActionは今回、ロイヤル・ダッチ・シェルについて、役員賞与の55%、さらに長期インセンティブプラン(LTIP)の約半数で、化石燃料を増産することで報酬を増やすことができる評価制度になっていると指摘。一方、二酸化炭素排出量の削減やエネルギー転換は、役員賞与とLTIPともにウエイトがわずか10%しかないと避難した。また、二酸化炭素排出量では、同社の全体の88%を占めるスコープ3が対象外となっている点も問題視した。これにより、役員報酬決議に反対票を投じるよう促した。
一方、BPについては、2月に二酸化炭素排出量削減と役員報酬の連動比率を上げることに同意しており、今後役員報酬制度が改善されることに期待しつつも、BPの排出量全体の87%を占めるスコープ3の扱いや、具体的な評価制度の内容が依然として明らかになっていないと指摘。これにより、役員報酬決議に棄権票を投じるよう促した。
但し、今回は、両社とも機関投資家団体との間で合意したばかりのため、今年の株主総会では様子見のところが多くなると予想される。
【参照ページ】Shell shareholders urged to reject pay policy on climate grounds
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