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【EU】欧州データ保護会議、新型コロナ対策でのGDPR対応でガイドライン発布。医療研究と位置情報活用

 EUの欧州データ保護会議(EDPB)は4月21日、意思決定機関である総会を開催し、新型コロナウイルス・パンデミックへの対策のために活用や検討が進む個人情報の活用についてガイドラインを発表した。活用が可能な線引をすることで、各加盟国で個人情報の活用を促す狙いがある。

 EDPBは、EUの一般データ保護規則(GDPR)の履行確保のために設立されたEUの公式機関。現在、EU加盟27ヶ国と欧州経済領域(EEA)加盟3ヶ国のデータ規制当局とEUの欧州データ保護監督官で構成されている。

 今回の発表では、欧州委員会が4月14日に示した通知で、スマートフォン・アプリを使った感染経路追跡はユーザーの自発的参加が原則で強制すべきでないことや、個人の行動追跡ではなく密集等の感染リスク把握のために活用すべきとした見解を支持。その上で、GDPRやEUのeプライバシー指令では、新型コロナウイルス感染の状況観察のために加盟国やEUレベルで当局等による匿名化された個人情報活用が容認される規定が設けられていることを強調。具体的な活用の線引を示すため、2つのガイドラインを採択した。

 1つ目のガイドラインは、新型コロナウイルス感染者の位置情報等の追跡ツールに関するもの。位置情報の活用では、外出抑制措置(Confinement)の有効性を判断するため可能とした。また、新型コロナウイルスの感染が確認された人と濃厚接触した可能性のある人に感染の可能性を通知するために活用することも可能とした。

 もう一つのガイドラインは、新型コロナウイルス・パンデミックに関する医療研究のために個人の健康データを活用することに関するもの。GDPRでは、医療研究のために個人の健康データを活用することを容認する規定があることをあらためて示した。但し、各国の法令や個人の同意に留意することも促した。また、個人の健康データの越境移動についての留意事項にも触れた。

 EDPBは、今回のガイドライン発行について、緊急性があるためパブリックコメントの募集は実施しなかった旨も伝えた。

【参照ページ】European Data Protection Board - Twenty-third Plenary session: EDPB adopts further COVID-19 guidance

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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