IT世界大手フェイスブックは4月16日、新型コロナウイルス・パンデミックに関する偽情報の拡大に対処するため、偽情報コンテンツと判断した投稿には警告ラベルを表示する新機能を発表した。フェイスブックは先に、投稿の事実性を評価するパートナー企業に100万米ドル(約1億760 万円)の助成金を提供しており、同社が抱える25億人超のユーザーに正しい情報を誘導する姿勢を改めて示した。
フェイスブックは、国際保健機関(WHO)が1月に新型コロナウイルスを「国際的な公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」と宣言して以来、プラットフォーム上に「新型コロナウイルス(COVID-19)インフォメーションセンター」を開設し、ユーザーに向けてWHOや専門家が公表する情報をリアルタイムで提供してきた。また傘下のインスタグラムとともに、SNS上で広まる偽情報を抑制するため、投稿内容の事実検証(ファクトチェック)する取り組みを強化してきた。新たなパートナー企業に、台湾のファクトチェック団体MyGoPen、フランス通信社AFP通信(オランダを新たに追加)、オランダ・データ保護機関(DPA)、英国通信社ロイターなどを迎え、現在60以上の企業が同社のコンテンツ規制に協働している。
今回発表された新機能「警告ラベル」は、ファクトチェッカーによってコンテンツの一部が不正と判断された場合、その記事に警告ラベルを表示し、投稿が広まるのを抑制するもの。1度のファクトチェックで、類似性のあるコンテンツをまとめて検出できるため、抑制措置を迅速に、広範囲に対処することが可能。同社は3月、新型コロナに関連する偽情報をフェイスブック上で約4,000件検出し、約4,000万の投稿に警告ラベルを表示した。その結果、警告ラベルのある投稿には95%の確率でユーザーがアクセスしないことがわかった。
また、ファクトチェックに基づき削除された偽情報に「いいね」や「コメント」などの反応を示したユーザーには、今後本人のニュースフィードで注意喚起が表示される。さらには、新型コロナウイルス(COVID-19)インフォメーションセンターの中に「Get the Facts」という新たなページを開設し、正しい情報として判断された記事をまとめて閲覧することが可能となる。こちらは現時点で米国のみで適用されており、更新は毎週行われる。
フェイスブックは先に、新型コロナに関わるファクトチェックに協働するパートナー企業を支援するため、国際ファクトチェックネットワーク(IFCN)と共同で100万米ドルを提供する助成プログラムを発表していた。第1回目に助成金を受領した13企業はいずれもファクトチェック機関だった(イタリア、スペイン、コロンビア、インド、コンゴ共和国、ギリシャ、リトアニア、メキシコ、ブラジル、アメリカ、トルコ、モンテネグロ、ボスニア・ヘルツェゴビナから各一社ずつ)。次回の発表は5月1日の予定。
フェイスブックは現在、COVID-19インフォメーションセンターとフェイスブックとインスタグラムの通知機能を活用して20億人以上をWHOや保健当局の情報に誘導し、3億5千万人以上が詳細を確認していることも発表した。
フェイスブックは4月22日には、インターネットへのアクセスができず、最新情報を入手できない人々への対策も発表。支援が必要な人々を発見するNGO「NetHope」に26万米ドルを、それらの人々にインターネットアクセスを提供するNGO「ITDRC」に200万米ドルを寄付している。
また4月20日には、ロックダウンが実施されているカリフォルニア州、ネブラスカ州、ニュージャージー州で、フェイスブックの「イベント」機能で登録されていたイベントが自動的に削除されたと報じられた。表現の自由の侵害という批判を集めた一方、フェイスブックは各州の関係者とイベントを削除すべきか否かたで協議したことを明かした。
【参照ページ】An Update on Our Work to Keep People Informed and Limit Misinformation About COVID-19
【参照ページ】Keeping People Safe and Informed About the Coronavirus
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