穀物世界大手米ゼネラル・ミルズは4月20日、長期コミットメントの進捗を示したレポート「2020 Global Responsibility Report」を発表。同社が優先4分野と定めた「食糧」「地球」「人」「地域コミュニティ」への投資について、大きな進展があったとした。
同社は2019年3月、2030年までに農場100万エーカーで「リジェネラティブ農業」を展開すると発表。「リジェネラティブ農業」は、「再生可能な有機農業」とも訳され、天然の自然環境に近い状態で農業を行う概念。その他、小規模農家2.2万人の支援や、55億食の寄付等にもコミット。今回は、それを踏まえた、包括的な長期目標を表明した。
【参考】【アメリカ】ゼネラル・ミルズ、2030年までに100万エーカーで「リジェネラティブ農業」展開(2019年3月7日)
食糧:栄養改善
- 全世界の同社施設の100%が、食品の安全性について独立第三者機関の監査・認証を獲得した。
- 有機栽培食品生産者として着実に拡大し、売上高は10億米ドルを超えた。
- 規制と食事指導に基づく透明性ある栄養基準を活用し、同社商品のグローバルポートフォリオ全体で最新の健康報告システムを設立。商品の45%は「栄養価の進んだ食品」基準を達成した。
地球:リジェネラティブ農業を通じた高度な地球環境
同社は2025年までにバリューチェーン全体の二酸化炭素排出量を2010年比28%削減する目標を掲げている。食品関連バリューチェーンの二酸化炭素排出量の80%は農業由来。そのため、リジェネラティブ農業で、空気から炭素を引き出して土壌に貯蔵することで削減する。- バリューチェーン全体での二酸化炭素排出量を、2010年比14%削減した。
- 同社の最優先10成分のうち90%以上を持続可能な方法で調達。2020年末までに調達率100%にすることを目標とした。
- 花粉媒介者の保護のため、同社財団とともに600万米ドル(約6.5億円)以上を投資。20万エーカー以上の花粉媒介者生息地の保護を行うXercesの官民パートナーシップ等を支援した。
- 研究、多年生作物への投資、サプライヤーと生産者とのパートナーシップ等を通じ、米国における農地の土壌の健康を改善されるイニシアチブに550万米ドル(約6億円)以上の出資を行った。
人:インクルーシブな労働環境
- 専門職の50%、役員の35%が女性となった。
- 取締役会の約半数、有識者の3分の1が女性となった。
地域コミュニティ:人々と地球の健やかな暮らし
- 2019年、同社従業員の83%が、地域ボランティア活動を行った。
- ゼネラル・ミルズとゼネラル・ミルズ財団は2019年、慈善団体と協働し、世界中で55億食、飢餓の危機にある子ども674,000人以上を支援した。
- 小売店やレストランの食品廃棄と、引き取りたい支援団体のマッチングプラットフォームMealConnectの拡大のため、16億ポンド(約2,130億円)以上を投資した。
- ゼネラル・ミルズと同社財団は、農家の健康的な生活とレジリエンス向上のためのイニシアチブおよびNGO主導プログラムへ継続的に投資。小規模農家22,000人以上の生計改善に寄与した。
【参照ページ】General Mills and its Foundation enable 5.5 billion meals, commit to advancing regenerative agriculture
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