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【EU】S&Pダウ・ジョーンズ、EU公式低炭素ベンチマーク準拠インデックスをリリース

 金融インデックス開発世界大手S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは4月20日、EUサステナブルファイナンス政策の一環で策定された低炭素ベンチマークに整合性のあるインデックスをリリースした。同社は1月に先にコンセプトを公表していた。

【参考】【EU】S&Pダウ・ジョーンズ、EU公式低炭素ベンチマーク準拠インデックスのコンセプト発表(2020年2月11日)

 同社は、今回発表のインデックス・シリーズを「S&P Paris-Aligned & Climate Transition(PACT)Indices」と命名。中身は、「S&P Eurozone LargeMidCap Paris-Aligned Climate Index」と「S&P Eurozone LargeMidCap Climate Transition Index」の2つ。

 各々、EUがポートフォリオ構成企業やポートフォリオ全体の気候変動緩和内容について気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のレポート内容に即した要件を設定した「EU気候移行ベンチマーク(EU CTB)」と、さらに厳しくパリ協定に即したセクター方針等を追加した「EUパリ協定整合ベンチマーク(EU PAB)」に対応している。

 気候変動関連データは同社グループのTrucostのデータを用いる。また同インデックス・シリーズでは、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)ガイドラインに基づいたリスク・機会分析結果も開示する。そのため、同インデックスをベンチマークに活用する機関投資家にとって、分析の手間が省ける。

 EU PABは、インデックス構成銘柄の二酸化炭素排出量について、スコープ3を4年以内に考慮することを要求しているが、同インデックスではリリース当初から考慮することとした。さらに、EU PABでは、条件を課さなかった「物理的リスク」「移行経路モデル」「化石燃料埋蔵量削減」「環境ポリシー」の4つについてもTrucostのデータを用いて考慮する。高い基準を設定することで、高いレベルでのポートフォリオ管理を望む機関投資家からの採用を目指す戦略と言える。

 同社は今後数ヶ月かけ、欧州、米国、その他先進国向けに、同様のメソッドを使った他地域や国別のインデックスをリリースしていく考え。

【参照ページ】S&P Dow Jones Indices Launches Paris-Aligned Climate (PA) and Climate Transition (CT) Eurozone Indices
【メソドロジー】S&P Paris-Aligned & Climate Transition (PACT) Indices Methodology

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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