法務省は4月17日、新型コロナウイルス・パンデミックの影響で解雇等により実習が継続困難となった外国人技能実習生や特定技能外国人が日本で働き続けることができる特例措置を発表した。日本の人手不足に対応する。
外国人技能実習生や特定技能ビザで勤務している外国人は、ビザ発給の際に、業種が限定された上で就労資格が与えられる。しかし、今回、日本で業種全体で休業を強いられるところが多発しており、解雇後に再就職先を見つけることが困難だった。再就職を見つけられない場合は、帰国しなければならなかった。
今回の特例措置では、法務省の外局である出入国在留管理庁が、支援対象となる技能実習生等の情報を把握し、関係機関に再就職を斡旋。一定の要件の下、「特定活動」の在留資格を付与し、日本国内での就労とする。在留期間は最大1年。一定の要件の中身は、日本人と同等以上の報酬、特定技能外国人の業務に必要な技能の習得を希望しているなど、特定技能や技能実習生の受入れ機関に課せられるもの。4月20日から措置が開始される。
また今回の特例措置では、技能実習生等が来日できず、人材確保に困難を来している分野での就労促進も出入国在留管理庁を中心に行う。特に、農林水産業での人材不足は深刻。別業種で就労資格を得ている外国人を再雇用することで課題を解消したい考え。
法務省は外国人技能実習生の扱いについて段階的に措置を打ち出してきた。3月23日には、実習期間が終了したが帰国できない実習生について、30日間の就労不可短期滞在か、「特定活動」在留資格に切り替えての1ヶ月間の同一企業での就労ができるようにした。だが、帰国できない状態が長引きそうなことから、4月3日に、就労不可短期滞在の期間を90日間に、特定活動在留資格の期間を3ヶ月間に伸長した。
また、3月23日の措置では、技能検定が受験できず次の技能実習へ進めない場合や、技能実習2号から特定技能1号へ移行の準備が整わない場合は、4ヶ月間の特定活動在留資格に変更できる道を作った。
4月上旬には、外国人技能実習生を繊維・アパレル関連職種で受け入れている企業が、マスクの製造をできることを認めた。通常、実習計画を変更する際には、長期に渡る審査が必要だが、今回は特例措置を制定。外国人技能実習機構へ説明資料を添えて届け出れば、技能実習に従事する時間の全体の2分の1を超えない範囲で原則認める。
【参照ページ】新型コロナウイルス感染症の影響により実習が継続困難となった技能実習生等に対する雇用維持支援
【参照ページ】新型コロナウイルス感染症の感染拡大等を受けた技能実習生の在留諸申請の取扱いについて
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