英気候変動シンクタンクInfluenceMapは4月2日、日本の主要業界団体がEUタクソノミーに対する態度を分析した英文レポートを発表。結果、総じてEUタクソノミーに否定的な態度を採っていることがわかった。
【参考】【EU】TEG、EUタクソノミー最終報告書発表。企業と機関投資家に開示義務。原発除外、CCS厳格基準も(2020年3月11日)
EUタクソノミーは、欧州委員会がパリ協定の達成のため2050年に二酸化炭素ネット排出量をゼロ(カーボンニュートラル)にするために必要な投資分野を定義したもの。EUでは、タクソノミーに位置づけられた投資分野に、企業の設備投資や、投資家の投資運用を集中的に回していく戦略を採っている。それにより、社会が必要とする産業分野の競争力を高め、経済発展と雇用創出で立つことを狙っている。
InfluenceMapは2019年12月、EUタクソノミーに対する金融機関の態度を分析している。分析手法では、公開データを活用し、2つの軸で各社をプロットした。縦軸の「総合スコア」は、タクソノミーに対し賛成的か反対的かという態度。横軸の「エンゲージメント強度」は、賛成及び反対の立場を基にしたロビー活動の積極度合いをスコア化した。
その際、企業の中では、AVIVA、BNPパリバ、アクサ、アリアンツ、HSBC等が、賛成的かつ積極的なロビー活動を、またそれ以外の欧州金融大手もロビー活動は行わないまでも賛成的な態度を採っていると分析された。反対に各種の業界団体からは反対派の立場からロビー活動を行っていると示された。
今回のレポートは、日本の業界団体を分析対象とし、同様の分析を実施したもの。その結果、日本経済団体連合会(経団連)が最も強く反対しているとプロットされた。他にも、分析対象となった日本ガス協会、日本電機工業会、日本鉄鋼連盟、石炭エネルギーセンター、全国銀行協会(全銀協)、在欧日系ビジネス協議会(JBCE)、日本化学工業協会は、全て反対派側にプロットされた。
【参考】【日本】経団連、世界的な気候変動サステナブルファイナンス議論に反発。日本産業界の移行リスク上昇の可能性(2019年9月24日)
【参照ページ】How Japanese Industry Lobbied Against a Strong EU Taxonomy
【参照ページ】The EU's Sustainable Finance Taxonomy
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