国連食糧農業機関(FAO)は3月18日、泥炭地マッピング及びモニタリングの技術的な推奨手法をまとめた報告書を発表した。サプライチェーンマネジメントの一環として、炭素固定量や生態系の豊富な泥炭地のマッピングが進む中、あるべきマッピング、データ管理手法を提示した。策定には、14ヵ国35人の専門家が参加した。
泥炭地は、世界の地表の3%を占めるすぎないが、その植生すべてと同程度の二酸化炭素を貯蔵しており、気候変動において極めて重要な役割を担っている。しかし、FAOは、泥炭地の約15%は、主に農業、放牧、林業、資源採掘等による排水で、劣化が進んでいると分析。過去数千年にわたり蓄積してきた二酸化炭素が、数十年で放出される危険性があると指摘した。
泥炭地のモニタリングでは、陸上探査と人工衛星探査の2つの手法が用いられており、組み合わせることも一般的。今回の報告書では、泥炭地の特定のためのプロセスから、社会活動との関わり方、保護のための活動までを包括的に伝えている。
劣化が特に顕著な泥炭地は、欧州、ロシア、北アメリカ、東南アジア、東アフリカ、アマゾン盆地に所在。多くの場合、泥炭地の位置や範囲、特性に関する知識不足が管理不全の大きな原因となっているという。今回の手法策定では、インドネシア、コンゴ民主共和国、ペルー等での研究を基にした。インドネシアでも、すでに人工衛星を活用した泥炭地モニタリングが実施されている。
【参照ページ】FAO leads the way to clearer peatland mapping and monitoring
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