国際エネルギー機関(IEA)は3月14日、新型コロナウイルス・パンデミックにより、化石燃料価格が大幅に下落している現状でも、気候変動リスク対策を進めるため、化石燃料から再生可能エネルギーへのシフトを続ける必要があるとの声明を発表した。
今回の声明は、IEAのファティ・ビロル・エグゼクティブディレクターがリンクトイン上で発したもの。目下、新型コロナウイルス・パンデミックや、サウジアラビアの減産拒否姿勢で下落する化石燃料市況を前に、「各国政府は再生可能エネルギー転換という昨今の重要課題から目を逸らすべきではない」と警告した。
ビロル氏は、新型コロナウイルス・パンデミックは、未曾有の国際的な危機としつつも、一時的な課題なのに対し、二酸化炭素排出量を削減しなければならないという気候変動の脅威はそのまま続行すると指摘。そのため新型コロナウイルスに対する経済振興を好機と捉え、太陽光発電、風力発電、水力発電、バッテリー、炭素回収・貯蔵(CCS)への投資促進策を打つよう求めた。
新型コロナウイルス・パンデミックでは、中国での工場停止の影響を受けた納品遅延の上に、景気低迷による化石燃料価格下落で省エネへの取組や意識が緩慢となり、再生可能エネルギーの導入が停滞することをが心配されている。英エネルギーデータ大手ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス(BNEF)も3月12日、2020年の太陽光発電新規設備容量を、121GWから152GWの幅から、108GWから143GWの幅に引き下げている。
IEAは、再生可能エネルギー転換の機運を止ませないように政府が支援策を打つとともに、化石燃料価格下落を受け、化石燃料に対する補助金を今こそ止めるときだというメッセージを発信した。
【参照ページ】Put clean energy at the heart of stimulus plans to counter the coronavirus crisis
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