ニュージーランドのグラント・ロバートソン財相とクリス・ファーフォイ商業・消費者担当相は3月1日、同国公的年金基金KiwiSaverのデフォルト設定運用ファンドで化石燃料関連銘柄を投資除外する化石燃料ダイベストメント(投資引揚げ)を発表した。KiwiSaverの加盟者は69万人、運用資産残高(AUM)は、470億ニュージーランドドル(約3.2兆円)。
ニュージーランドでは、公的年金基金NZ Superannuation Fundが2017年、投資戦略に気候変動適応を組み込み、二酸化炭素排出原単位または化石燃料埋蔵量を基準とした投資除外を発表。投資除外の影響を受けた資産規模は、株式30億ニュージーランドドル以上。国民年金に相当するNZ Superannuation Fundでの気候変動対応ポートフォリオが、投資パフォーマンスに悪影響がないことが明かとなり、「2階」部分に相当する任意年金基金のKiwiSaverでもデフォルト運用での化石燃料ダイベストメントを決めた形。
ジェームズ・ショー気候変動相は、前政権の政策では、気候危機の主たる原因となっている化石燃料関連事業者にも投資できるようになっていたが、今後、年金加入者は勝手に化石燃料関連に投資される心配は不要となると説明した。既存の確定拠出年金運用会社9社との契約は、2021年6月に有効となる予定。
また、新たな運用会社を任命するにあたり、年金の運用委託スタイルを「保守型」から「バランス型」に転換すると発表。KiwiSaverの手数料を簡潔かつ透明性を担保すると共に、運用会社の公募プロセスにおいて、手数料も重視する考えを示した。
【参照ページ】Default KiwiSaver changes support more responsible investment
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