気象庁は2月20日、海洋の貯熱量(熱エネルギー)の観測結果を発表。2019年には観測史上過去最大になったことがわかった。1990年代半ば以降貯熱量の増加が加速していることもあらためてわかった。気象庁は、国内外の観測データを活用し海洋の貯熱量を推定している。
地球温暖化による増加した熱エネルギーは、大気よりも海洋が多くを吸収し、約90%は海洋に取り込まれている。海洋が蓄積した熱エネルギーは、熱湯の上の空気が暖かくなるように、じわじわと大気も温めていく。
(出所)気象庁
貯熱量は、水深700mまでと水深700mから2,000mまでの双方で大きく増加している。増加速度は2000年度頃から急増していることもわかる。海洋貯熱量は1955年から2019年の間に約43×1022J増加し、平均水温は約0.15℃上昇した。
2019年は、貯熱量の観測範囲が、水深2,000mの箇所まで拡張され、海洋貯熱量の実態をより把握できるようになった。2000年頃までは、深さ700m以上の観測データが限定的であり、700mより深い部分の貯熱量の変動を正確に把握できなかった。しかし、今回、深さ700mから2000mまでの観測データが少ない時代も含めて精度良く推定できるモデルを開発。過去まで遡った統計把握が可能となった。
海洋貯熱量が掴めると、地球温暖化の状況がさらに把握できるようになる。気温上昇では、2000年前後から2010年代前半にかけ気温上昇率が低い時代もあり、気候変動懐疑派にとっての理論根拠とされたときもあった。気象庁は、「その間も海洋貯熱量は増加しており、大気・海洋を含めた地球全体の温暖化が継続して進行していることがわか」るとしている。
(出所)気象庁
【参照ページ】地球温暖化が進行、2019年の海洋の貯熱量は過去最大に
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