金融インデックス開発世界大手S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは1月29日、EUサステナブルファイナンス政策の一環で策定された低炭素ベンチマークに整合性のあるインデックスの開発コンセプトを発表した。
【参考】【EU】欧州委TEG、低炭素「ベンチマーク」最終報告書発表。ESGベンチマーク内容開示も(2019年10月4日)
同社は、今回のコンセプトを「S&P Eurozone Paris-Aligned Climate(PAC)Index」コンセプトと命名。ポートフォリオ構成企業やポートフォリオ全体の気候変動緩和内容について気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のレポート内容に即した要件を設定した「EU気候移行ベンチマーク(EU CTB)」と、さらに厳しくパリ協定に即したセクター方針等を追加した「EUパリ協定整合ベンチマーク(EU PAB)」のうち、EU PABに準拠するベンチマークとなるという。気候変動関連データは同社グループのTrucostのデータを用いる。
EU PABは、インデックス構成銘柄の二酸化炭素排出量について、スコープ3を4年以内に考慮することを要求しているが、同インデックスではリリース当初から考慮することとした。さらに、EU PABでは、条件を課さなかった「物理的リスク」「移行経路モデル」「化石燃料埋蔵量削減」「環境ポリシー」の4つについてもTrucostのデータを用いて考慮する。高い基準を設定することで、高いレベルでのポートフォリオ管理を望む機関投資家からの採用を目指す戦略と言える。
同社は、今回打ち出したコンセプトと、ベンチマークとなる「S&P EUROZONE LARGEMIDCAP (EUR)」とのパフォーマンス比較結果を発表。年間リターンは、新コンセプト22.4%に対し、ベンチマーク21.5%。設定後累計リターンでは、新コンセプトが4.2%に対し、ベンチマークが4.6%。設定後ボラティリティは、新コンセプト11.9%に対し、ベンチマーク11.7%。概ね遜色ない結果を実現した。
【参照ページ】Conceptualizing a Paris-Aligned Climate Index for the Eurozone
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