丸紅は2月3日、日本企業12社と共同出資設立した特別目的会社「秋田洋上風力発電(AOW)」を通じ、秋田県秋田港及び能代港で着床式洋上風力発電所を建設することを決定したと発表した。完成すると日本国内で初の商業ベースでの大型洋上風力発電事業となる。
同発電所建設は、秋田県の主導で始まったもの。秋田県は2014年10月、新エネルギー関連産業振興や雇用創出を目的に、洋上風力発電建設計画を日本の自治体の中では非常に早いタイミングで開始。県が、秋田港の選定海域適地を設定する形で、事業者を募集し、2015年2月に丸紅が事業者として選定された。丸紅は、AOWに対する共同出資事業者を募った結果、大林組、東北自然エネルギー、コスモエコパワー、関西電力、中部電力、秋田銀行、大森建設、沢木組、協和石油、加藤建設、寒風、三共の12社が応じた。
同発電事業は、秋田港洋上風力発電所55MW、能代港洋上風力発電所84MWで合計設備容量140MW。総事業費は約1,000億円で、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行が共同アレンジャーとなる形で、国内外の金融機関がシンジケートローン参加する。売電先は東北電力で、売電期間は20年間。運転開始は2022年を予定している。
洋上風力発電では、日本でも2018年12月に再エネ海域利用法が制定され、海域の長期間使用を認める法整備が進んだ。しかし、地元の合意を必須としているため、多くの海域では現在も地元との調整に時間を要している。今回の秋田港・能代港の案件は、2014年と非常に早いタイミングで県主導で案件化し、すでに地元の調整が完了している。そのため一足先に事業着工がかなった。
【参考】【日本】経産省と国交省、4区域を洋上風力「有望区域」に選定。他にも7区域が一定の段階に(2019年8月2日)
【参考】【日本】政府、再エネ海域利用法の関連政令を閣議決定。洋上風力を明記。占有可能空域・海底域も決定(2019年3月16日)
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