世界保健機関(WHO)と世界がん研究機関(IARC)は2月4日、「世界対がんデー」に合わせ、癌に関する報告書2本を公表。低中所得国での癌対策の重要性を訴えた。
過去50年間、癌予防や早期診断・治療が進展。2000年から2015年にかけ、高所得国における癌起因の早死率は、20%減少したという。一方、低所得国では、同期間の早死減少率は5%に留まり、癌予防・治療の国家間格差が拡大しているとした。同様の傾向が続く場合、今後20年で癌の症例数は60%増加し、その内81%が低中所得国で発生するとして警鐘を鳴らした。
低中所得国の医療は、依然限定的。感染症の駆逐と妊婦・幼児の健康に主眼が置かれ、癌予防や診断・治療には医療予算が割けていない。2019年の調査では、高所得国では国民の90%が癌に関する公共医療システムにアクセスできるのに対し、低中所得国の国民は15%に留まった。
WHOは、癌対策に関して、政府が幅広い選択肢を有している点に言及。がん予防に有効な手段として、たばこ規制やB型肝炎ワクチン、HPVワクチン(子宮頸癌ワクチン)を挙げた。各国に状況に応じ、対策を取ることで、今後10年間で少なくとも700万人の命を救えるとし、各国当局に対し協力を要請した。
【参照ページ】WHO outlines steps to save 7 million lives from cancer
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